なにごともそうだけど、
ラフの状態からはじめて、仕上げにいたる。
しかし、仕上げを一度もしたことのない人は、
ラフだけをいくらやっても無駄である。
それを説明するに丁度いいイラストをネットで拾ったので、
それをはっておく。
(作者の方無断転載すいません。ものごとの本質の勉強のために利用させてください。
以下の引用のされ方が気に食わないなら、その旨連絡してきてください)
「アイアンマンを鎧風にリデザインする」というコンセプトで、
これは人を楽しませようとしている。
さて、幸い四段階が残っている。
左から順に、
ラフ、線画クリンナップ、色稿クリンナップ、修正後最終形、とでも呼んでみる。
ややこしいので、以下、A、B、C、Dとしよう。
脚本を勉強する人は、
Dを一度も作ったことがなく、AやBあたりでぐずぐずしている人のことが多い。
あるいはCまでは出来るが、
その後色々と足したり引いたりして、Aを描いた時点では考え付かなかった、
Dにたどり着く人なんてほとんどいないだろう。
CやDにたどり着くには、もちろんAがしっかりしていなければならない。
しかし、一度もCやDを描いたことのない人が、
何本Aを描いたって一生そこにはたどりつけないのだ。
脚本に無理やりたとえれば、
Aはアイデアやプロットのラフスケッチ、
Bはプロット、
Cは第一稿、
Dはリライト後のフィニッシュ、
と言えるだろうか。
あるいは、
一度CやDまで描いた人の描くAやBは、
その後にやる時のことまで考えた上でのAやBであり、
余白や無駄や改良の余地を残しての次段階である。
にも関わらず、コンセプトはぶれないし、
シルエットやデッサンもまったく崩れていないところが、
この人のAやBがとても優秀だということが良く分かる。
作者は誰なのだろう。寺田克也っぽいね。
と、さらに検索をかけたら、中国人イラストレーター、
ジャックリーという人のものだった。
さらに製作過程もアップされてたので参考までに。
https://www.youtube.com/watch?v=fK27CuSdKzQ
一度もCやDを描いたことがない人は、
絶対AやBで迷う。
よれる。ふらふらする。
それは、AからDを想像する力がないからだ。
正確には、AからDを想像するのではない。
「今後どうなったとしても、Aの成分が骨格に保たれている限り、安心である」
という見切りをするのである。
だからAの要素は最終までぶれない。
へたくそな人は、AがDまで残らない。
途中でおかしくなる。
自信がなくなって紆余曲折するか、
途中で変えたくなってしまうのだ。
そういうものは、たいていデッサンの狂った絵のような、
つまらない話になる。
プロットやアイデアの段階で終わらせるな。
それはフィニッシュまでの前準備にすぎない。
何回も何回も仕上げた経験があるから、
ラフの打ち合わせが出来るのである。
(最近の企画打ち合わせに出る人で、これを分かっている人がとても減った)
2015年06月26日
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