2015年06月27日

少しずつ尺を伸ばしていく

30秒で面白いことが出来るようになったら、
次は1分で。
次は3分で。
次は5分、10分、15分、30分、
1時間、90分、2時間。

伸ばしていくのは、わりとポピュラーな練習法だ。


1本何かを書いたら次はさらに長いのを書いたとしても、
計10本書くことになる。

しかし、ひとつの長さを1本しか書かないのはよろしくない。
その長さのことは大体わかった、
と思うまで、何本も書くとよい。

個人的には、
30秒と1分、5分と10分、
30分と60分の境目あたりが、
がらりと世界が変わる感じがする。

30秒や15秒は何百や何千や何万と書いたと思う。
数分ものも百ぐらいは書いたかも。
30分は数十のレベルか。
60分は数本、
二時間は10本ぐらいか。

僕はCMディレクターとしてキャリアを出発させたので、
数分以内のものが沢山ある。
これは最初から二時間を沢山書けないだろうな、
と直感して、お話のトレーニングのつもりで、
CM業界を選んだからだ。
短編だから出来ること、短編には出来ないこと、
長編だから出来ること、長編には出来ないこと、
などは、自分で書いた経験から言えることだ。


徐々に長さを増やすことなら、
いきなり長いものをやって挫折するよりも、
セーフティをとれる。
自分はここまでの長さのことは分かるが、
これ以上になると扱いきれない、
ということも自覚できる。
(逆に、これ以下の短さは苦手、もあるかも)

長編は短編を単純に積み重ねたものではないから、
30分の倍の労力が60分にかかる訳ではない。
(ギャラは単純に倍かもだけど)
同じ長さのものを作るのに、
同じ労力という訳でもない。
(ギャラは同じだろうけど)

様々な長さを行き来し、
慣れることは、早めにやるべきである。

これは○分ぐらいが相応しい題材だな、
と感覚で分かるようになって、
あなたはようやくプロに近づいたことになる。

あるいは、目標○分には足りないから何かを足そうとか、
目標○分をオーバーするから、△分ぶんだけここを削ろうとか。
目標○分が最適な題材に、題材の仕入れを加工することから、
はじめられるようになるだろう。
posted by おおおかとしひこ at 13:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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