2015年07月02日

バック・トゥ・ザ・フューチャーの衝撃的裏話

先程ネットで知ってびっくりした。

当初、タイムマシンは軽トラで、
核実験施設で核爆発を待って、
そのスピードで現代に帰る、というクライマックスだったこと。


時計搭に落雷が落ちるあのクライマックスではなかった。
つまり、広場で配られていたチラシの裏に、
彼女が電話してと電話番号を書いていたのを持っていて、
「雷が、いつどこで落ちるかなんて分かるわけない」
とチラシを何気なく裏返したら、
「分かるぞ!」
と、雷の落ちた時刻で止まっている時計を示す、
あの絶妙な伏線とその解消も、
なかったということだ。

つまりこの素晴らしいアイデアは、
クライマックスが変更してから書き直されたアイデアなのだ。

素晴らしい。

よくそうやって立て直した。



リライトで誤りがちなのは、
その部分だけ直すことだ。

核施設→核爆発待ちの場面を、
時計搭→落雷に、ただ変更するだけをしがちだ。

しかしもっと引いた目があって、
そこに上手い伏線を引くべきだと判断し、
実際に見事な伏線であっと言わせることを思いつき、
それは歴史的に見事な伏線のひとつとして、
燦然と輝いているのである。

リライトの教科書のようではないか。



ちなみに核爆発を変更した理由は、
爆発をただ待ってるだけでは詰まらないからだそうだ。
待つドキドキを加える為に、
高エネルギー発生時刻というタイムリミットを設定するという、
極めて映画的やり方で、
クライマックスが作られている。
その時刻を知る方法が、素晴らしいのであるが。

核爆発版のシナリオと比較で研究してみたいところだが、
英語読めないので、どなたか入手してみて下さい。
最終稿しか手に入らないかも。



あとひとつ。
あの傑作であっても、
先行する他の作品(コメディ、タイムスリップもの)に、
「似ていない」という理由で企画が頓挫しかかり、
(つまり先行作品に似てるからという理由で人は映画をつくる許可を出すのだ!)
スピルバーグに名前を借りにいったそうである。

日本にそういう監督やプロデューサーがいる?
いないから、新しいことが出来ないのかもね。
逆にスピルバーグ以外は、誰もあの映画の傑作性が、
脚本の時点で分からなかったということだ。
ちょっと絶望してくる。
posted by おおおかとしひこ at 10:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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