2015年07月03日

入り口を間違えたら、ご破算

初心者は、まず入り口を間違う。
それはしょうがない。
入り口の探し方から、間違ってるからだ。
何が正解なんて、最初の頃は分からないからだ。


オープニングを間違う。
作り方の順序を間違う。
理論の使い方を間違う。
色々ある。

でも最後まで書くと、客観性が少しついてきて、
次やるときは失敗しないぞと、
以前の失敗と今を比較できるようになる。

その為に数を書くのである。
一度長いのを書くと、失敗に立ち直れないほどになるから、
失敗は短いのでやるべきだ。

あなたが読んだ短編のようなものを真似したりして、
まずは完結した短編を書いて、何回も失敗するといい。


そうするうちに、
間違った入り口から入っても、
正しい出口にたどり着けることはないと知るだろう。

正しい入り口はテーマだ。
ストーリーラインだ。
シチュエーションだ。

この三つがうまく揃わないと、入り口にも立てないのだ。


正しい入り口に立つのは、
正しい出口への出方を知っていないと出来ない。
つまり卵と鶏の関係だ。
だから、ループが多いやつのほうが、
経験値が上だ。

勿論、偶然いい入り口に立てる場合もある。
偶然最後までスルッと書いて名作になる場合もある。
まあそれは、一万本に一本ぐらいかな。
(だからビギナーズラックでホームランを打ったやつは、
あとで苦労するんだよね)

あなたがどうにも書けないのは、
入り口が間違っていることが殆どではないかな。


どういう入り口に立てば出来るかは、
今までどういう入り口に立ったとき書けたか、
に依存する。以下ループ。

5分の話や3分の話、つまり原稿用紙5枚から3枚程度の作品をさがして、
一度書写してみるといい。
(このブログの作品置き場にいけば大岡のものはある)
文字数と内容の関係がなんとなく分かる。

自分がどんな入り口に立てば完成させられるかを、
これで逆算でイメージ出来るようになる。


たとえば5分シナリオ「たった一杯の乾杯」では、
ラストシーンの結婚式の乾杯が入り口だった。
あとはどうやったらツカミが出来るかを考え、
親父以外の人物の設定をし、
親父の謎の行動をつくり(正確には昔の原稿からパターンを拝借)、
演説をぶちまける所を思いついた。
そういう過程でつくっている。
ラストのコピーは、最後に画竜点睛で書いた。

たとえばトップシーンが入り口だったり、
親父の謎の行動が入り口だったら、
最後までスルッと書けないと思う。
違う話として完成したかも知れない。

あなたがこの話を書くとしたら、
どこを入り口にすれば最後まで書けるかを、
イメージするのは悪くない。
途中いくつ関門をクリアすれば、書けるかを、数えてもいい。


あとは、自分のストーリーでやってみるだけだ。
他人のシナリオを勉強するとはそういうことだ。
パターンが沢山あるとさらにいい。
posted by おおおかとしひこ at 13:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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