2015年07月06日

書き言葉の発達

お喋りや対話と違い、
書き言葉は基本一人だ。

一人でどれくらいまで書けるかが、
結局脚本力を決めるのだ。


ツイッターレベルは、
動物の吠え声やリアクションレベルだ。
(物凄く知性で計算された文章と二択だ)

もう少しまとまった話になると、ブログレベルだ。
しかしブログですら、
まとまった話を書ける人はあまりいないかも知れないし、
毎日書くこともないかも知れない。

まとまった分量を書ける、
というのはそれだけで知性と関係するのかも知れない。
つまり、
まとまった分量を思わなくてはならないし、
まとまった分量に、まとめて書けなくてはならない。
散逸的にではなく、
前提、展開、結末(前ふり、展開、落ち)のように、
因果関係を持った一続きの流れとしてだ。

他人との対話でなく、
あなた一人の中から出てくる何かである。


それは小論文に似ている。
何かのまとまった思考、分析、主張だ。
それが長くなれば論文だ。

そこまでまとまらなくても、日記的な散文で徒然に書く場合もある。
(日本人は日記文化が云々)


さて。

物語は、思考、分析、主張ではないし、エッセイでもない。
それとこれとはまた違う。

ただ、
まとまった分量を思い、
まとまった分量を書くという点では、
小論文や日記の比ではない。
量的には、論文レベルである。

あなたの書き言葉は、
その量だろうか。

二つの要素がある。

まとまった分量を思うことと、
まとまった分量を因果関係で繋がった一続きの流れとして、まとめることである。

思うこと、書くこと、
二つが出来てはじめてその分量が書ける。
思えなければ書く能力があっても書けないし、
思っても書く能力がなければ書けない。

ツイッター、ブログ、日記、小論文、論文。
あなたは、書き言葉において、どのレベルの量だろうか。
思うことと書くことの両方でだ。

普段の書き言葉と、いざというときの書き言葉はまた違うけど、
あなたのスペックとしてだ。

論文を書いたことのある人なら、
物語を書くことは苦ではないだろう。
書く能力については備わっている。
あとは思うだけである。

小論文レベルなら短編まではなんとかなるけど、
その先はしんどい。
短距離走者が長距離走者にコンバートするときと、
同じ苦しみを味わうかもしれない。


自分が、書き言葉としてどの程度の分量を、
思い、書けるかは、把握しておいたほうがいい。

試しに日記を書くのは賛成だ。
書き言葉の量が分かるというものだ。

ブログを書くのもいいかもだ。
余程波乱万丈人生でない限り、
すぐに書くことがなくなってしまうだろうけど。


つまり、物語が書けない人は、
書き言葉の量が書けない可能性がある。

対話でなく、一人で、
因果関係のある一続きの流れとして、
一定以上のことを思い、
一定以上のことを書く、
両方の力が、あるいはどちらかが、
その物語の規模にたいして足りてないのかも知れないのだ。


書く行為は、ある程度知性である。
バカには書けない。
才能で書く人は、その知性が備わってなくても、
バカのまま天然で嗅覚で書いていく。
どういうやり方でも構わない。

才能だけで渡っていけない人が多分ここを読んでいるだろうから、
努力と知性で補うしかないと思う。

あなたはどれくらいまでの分量を、
思い、書く能力がある?

ツイッター、ブログ、日記、小論文、論文。

遠回りかも知れないけど、一度論文を書いてみてはどうか。
あるいは、脚本をただ書き写すという経験もいいかも知れない。

どれくらいの分量を、
まとまって考え、かつまとまって書くかを、
体験してみるといい。

デジタル対話やお喋りばかりしていても、
対人スキルは上がるけど、
書き言葉の能力は上がらない。

書き言葉の能力を上げるのは、
机に向かって一人で集中して書くことだ。
その何万時間もの経験だけが、
あなたの思いと書く力を増幅する。

(注:量であって質のことは言っていない)


物語が書けない人は、
まず自分の書き言葉の、量的スキルを見極めてみるべきだ。



僕はたまさかブログをこれだけ書いている。
つまりそれだけ書く力があるし、
それだけの量を思っている。当たり前だけど。
これだけブログで書きながら、プラス、
一年で更に55万字を書き上げようとしている。
その分量が、思いと書く分量である。
(注:今、量の話で、質は別)
ついでに秘密を言うと、書けば書くほど、書くことが増えるのだけど。


プロになるということは、毎日何かを書く人生になるということ。
量的な関門は、最低クリアしよう。質は別の機会に。
posted by おおおかとしひこ at 09:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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