例えば新米弁護士もの。
はじめての訴訟で、未経験のことを沢山し、
失敗しながらも学んでいくさま。
例えば異世界もの。
その世界のルールを体験していくさま。
(マトリックスは分かりやすい)
優秀な二幕には、「その世界に慣れていく」
パートがある。
何故なら、二幕とは主人公にとって、
日常と真逆の非日常空間(スペシャルワールド)だからだ。
極端に言えば、非日常空間への遷移と日常への帰還が物語だ。
慣れた日常と違い、非日常空間では危険が一杯だ。
主人公にとって見知らぬところだから非日常空間なのだ。
(空間自体が動かなくても、
恋をすれば日常空間は全て非日常空間になる。
女が恋と旅行が好きなのは、それを非日常空間と思うからだ。
男がマシンや兵器が好きなのは、それを非日常空間と思うからだ。俺の説)
だから必ず失敗をし、その世界に慣れていく過程が描かれる。
よくあるのは一人サバイバルだ。
野山のサバイバルだけではない。
マトリックスでは、電脳世界のサバイバルを習得するさまが描かれる。
そしてそれは凄く面白い。
例えば医療ものや特殊職業ものでは、
その世界の独自のルールを示すために、
そこに飛び込んだ新米主人公が、
その世界に慣れていく過程を描くことをすることが多い。
非日常空間の世界設定と、
その空間を知らない観客の準備と、
主人公への感情移入を兼ねた、優れた型である。
僕は昔これを「enter the world」型と命名したけど、
最近あまり使ってない。
そればっかりじゃ詰まらんなあと思ったからだ。
しかし、優秀な二幕には、
必ずこのパートがあると思う。
それは、その型よりも、
「非日常空間を主人公が味わい、慣れていく」ことをきちんと意識すれば、
自然と書けるのではないだろうか。
だからここのパートは、ちょっと失敗してからの、
大抵快進撃が続く。
ミッドポイントでかりそめの敗北に繋げるパターンである。
(マトリックスでも、裏切りに合う)
2015年07月06日
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