2015年07月08日

フィクションとリアリティー

我々のつくるものはフィクションである。
リアルではない。

なのに、津波を想起させるからそのような表現はNG、
とか言ってるやつの気持ちが分からない。
フィクションですよこれ。
本当の世界とは違うんですよこれ。

そんなこと言うやつこそ、現実と非現実の区別がつかないんじゃないの。


我々のつくるものは、フィクションである。
全部嘘である。
一見リアルに見える嘘である。

リアルにそんなことが起こったら、
そんな簡単にはいかないことも、
フィクションの中では起こる。(極端なのはご都合主義だ)

にも関わらず、
まるで本当のように思えるのは、
綿密に嘘の世界が設定されていて、
登場人物の気持ちの推移がリアルだからである。

まさか本当に忍者が部活の試合の裏で闘ってるわけない。
しかし、その荒唐無稽な世界なのに、
登場人物の気持ちはリアルだ。
告白の回などを見よ。
小次郎も姫子も実在しない。
実在しないのに、
まるでいるかのように我々は感情移入する。

それがフィクションだ。



フィクションと現実を混同するのは、
たとえば犯罪ものを見たら犯罪を犯す、という例にたとえられる。
それはバカなやつのことである。
フィクションの中で洪水があると311を思い出すからNGって
言うやつは、それこそフィクションと現実を混同している。

そんなバカとは、付き合わないことだ。


フィクションは現実ではない。

だから、リアルとかけ離れた、無茶苦茶が出来る。
だから、リアルでは描けない、真実を描ける。

リアルとどういう距離を保つかが、
フィクションの面白さだ。


昨今、リアルばかり重視して詰まらないか、
つくりものばかり重視して学芸会になって詰まらないか、
どちらかばかりだ。
真のフィクションが、見たいものだ。
posted by おおおかとしひこ at 17:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック