2015年07月09日

プロットなきダイジェスト:桃太郎キジ編

カッコイイ絵に、ダイジェストストーリーを乗せるスタイル。

何故烏は悪落ちしたのか、
力が何故良くないのか(力なき正義は無力という格言もある)、
何故踊りが有効なのか、
そこで踊ってて見えるのか、
何故烏はもとに戻るのか、
どうやって倒したのか、
何故倒すのか、
つまり、ストーリーの肝が全て描かれていない。
つまり、相も変わらず、あれはストーリーではない。
ストーリーっぽい、ファッションだ。


鳥のデザインはカッコイイ。
だから持っている。
キジでなく猿だったとしたら、
黒ザルとの対決なら、
話が持たなかったことだろう。(猿の惑星みたいになったかも?)
ワイバーン?が敵であるからこそ、
絵が持っている。

次も猿の出落ちに違いない。
同じく、悲劇的な過去だろう。

女がらみが出てないから、多分女がらみだろう。
恋人か妹か姉を、殺されたかさらわれたかだ。
あるいは、一族ごと鬼にさらわれて、
一人だけ抜け出して、反旗を翻しているパターンかも知れない。

過去の出落ちパターンじゃなければ、
鬼側のスパイなどの裏切りもあるかもね。

このメンバー内でやるしかないものね。



日本刀一本でどうやって倒したのか。
キジは不思議な踊りで魔法をかけたのか
(ドラクエでは防御力が下がるんだっけ)。
犬や猿はどうやって攻撃して、
あの火竜をどうやって倒したのか。

一番大事な所を爆発の引き絵で誤魔化してる。
こりゃ、鬼とは一生闘えないね。


「力に溺れ悪落ちした兄を、優しい弟が倒す」
話は類型がありすぎて、パクリ元を指摘するまでもない。
せいぜい北斗の拳とでもいっとくか。
キジの里のイメージは、風の谷ベースに、
高地もの(チベット辺り)のドキュメントを組み合わせれば出来ると思う。
セブンイヤーオブザチベットでも借りてくれば揃いそうだ。
色使いはベトナムっぽかったけど。
烏のデザイン元はいくらでもあるのでパクリとかではないだろうね。
クロウぐらいは参考にしてるかも知れないけど。
火竜はどこかにあるだろう。
ハリーポッターからタイタンの闘いから、
ドラゴン出てくるのはいっぱいありそうだ。

つまり、寄せ集めなんだよな。


このような類型的な話の場合、
どこがオリジナルなのかを、
競うべきである。
しかしストーリーにオリジナルがない。
最初に提示した疑問を想像するしかなく、
それはどう転んでもあまり面白くない。

金かかってる、ファッションがオリジナルか。


桃太郎は映画になるか?
絶対にならない。
出落ちシリーズで、おしまいだろう。
オリジナルなストーリーがない限り、
「桃太郎が三人を集め鬼を倒す」以上にはならない。

何故倒すのか?どうやって倒すのか?
何故自分より強いやつを倒さなければならないのか?
何故自分より強いやつを倒せるのか?
それは一切描かれなさそうだ。
そこがテーマ(一幕と三幕)のはずだ。

犬やキジや猿は、おそらく二幕扱いだ。
だから見れて、引き延ばしだろう。
猿の次にやることがなくて、
終わるか、引き延ばすのなら新キャラだ。
雪女とか氷系でも仲間に入れたりしてね。


精々VFX見本市でも作っておくことだ。
ストーリーのないデモリールを。


我々脚本家がこの糞シリーズから学ぶべきは、
プロットとは、何故?に答えられなければならない、
ということである。
それを一々示す必要のないために、
大嘘をひとつつくのが、物語の作法である。
今回は、絵を撮りたいがために起こる出来事に、
連関と理由がない。
そこに何故?に答えられる自然な流れをつくるのが、
プロット、すなわちストーリーの根幹だ。

つまり4分もかけて、エピソード3はストーリーではない。
精々PVどまりだ。
posted by おおおかとしひこ at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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