2015年07月12日

ジャンルをつくれ

最近技術論が減って精神論みたいなのが増えてきたのは、
細かい所よりも、大きなことが気になるからです。

ということでまた大きな話。

理想は、あなたが一ジャンルになることだ。


唯一無二の個性があるといい。

それを自分の言葉で説明できなくでもいい。
それは評論家やコピーライターの仕事だ。

あなたの中心の仕事は、
あなたというジャンルをつくることだ。

題材や話のパターンという、ガワでもいいが、
それはきっと飽きられる。
(センセーショナリズムの野島伸司とか、
退廃文学的な椎名林檎とか)

ひとつのことをやるのではなく、
興味があることを貪欲に飲み込んで、
自分なりに消化してから吐き出すといい。
(消化してないとコピペの寄せ集めになる。
見たいのは切り張りでなく、ひとつの体系である)

それをひたすらやっていくと、
それが独特になっていくだろう。
自分の独特は意外と気づかないから、
他人に指摘してもらうといいだろう。
世の中の人とズレがあるのは当たり前で、
ずれていながらもそのズレを把握してキープして、
ついてこれない人を見捨てずに、
全員を楽しませて最後まで連れていけるのが理想だ。

強烈な個性とか、分かりやすいヒキなんて必要ない。
面白いか、面白くないかが最優先だ。
あなたの「面白い」という感覚自体が、
実は独特なのだと知ることだ。
それは、強烈な個性とかではなく、
何本も作るうちに自然と出てくるものだから、
あなたは面白いと信じるものを作り続ければいい。
一本や二本で個性なんて出ない。
十本ぐらい書いて、ようやく、なんとなく分かる。
百本書いて、一ジャンルを形成すると思う。
ジャンルは点ではなく宇宙だ。
その宇宙の端から端が見えたとき、ジャンルとして把握される。

あなたは、そのジャンルの端から端まで、
偏在している。
バラエティーに富み、まるで別のものを書いているはずなのに、
その世界の全ての背後にある、何か統一されたものがある。
それがジャンルだ。
それがあなたが、一ジャンルをなすということである。


数を書け。
シリーズを書け。
全然違う話を書け。
自分に○○縛りをしてみろ。
似た話は避けて、テーマ被りモチーフ被り落ち被りを避けろ。
そうやって出来た山が、あなたというジャンルだ。

そのどれもが面白いのなら、
勝手に誰かが○○ワールドとか言ってくれて、
勝手に誰かが鋭いキャッチコピーをつけてくれるさ。
自称しても勿論いいけどね。

ポートフォリオ(作品集)は、
ちょいちょい作って更新するといいよ。

俺というジャンルを見る、いい機会になるよ。
posted by おおおかとしひこ at 01:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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