夏休みも近いので、基本に戻ろう。
5分シナリオを書こう。
何を何枚書くとお話になるかを書いてみる。
構成というやつだ。
5分尺の超短編では、僕は2:2:1方式を薦めている。
序(ここはどんな世界で、何が起こるか)
破(それがどうやって壊れていくか)
急(それがどうやって落ちがつくか)
という伝統に従う。
それが2:2:1であるべきだ、という僕の経験則だ。
(中編では1:1:1、長編では1:2:1になる、というのが僕の経験則)
さて、原稿用紙を5枚用意しよう。
練習のため、以下は手書きでやること。
1分1枚にあたるシナリオ形式を、徹底的に手で覚えるためだ。
消ゴムで消したり、清書しなおりたりする手間が、
デジタルよりも遥かに多くの実りをあなたにもたらす。
デジタルは横から横へ受け流すのが得意だが、
あなたの中には何も蓄積しない。
何故ならあなたはデジタルではなく、アナログの生き物だからだ。
蓄積するのは、「手という学習」だけである。
実際には5枚の原稿用紙では足りない。
足したり引いたり清書しなおりたりする。
15枚?30枚?
人によるだろうけど、それぐらい用意しよう。
消しゴムは減りを心配しなくてよい大きめで。
鉛筆は肩の凝らない柔らかい奴で。
サラサラと書き、ごしごしと消そう。
消しカスはまとめて練り消しでも作って遊ぼう。
手の感触は大事だ。
「手が脳より先に書く」感覚になるまで、
あなたは手を鍛えるべきである。
さあ、妄想しよう。
面白いお話を考えよう。
と言っても、5分の超短編だ。
劇場用を考えなくていい。
どれくらいの規模なのか知りたければ、
僕の短編シナリオを作品置き場カテゴリ
(元々こういうのの倉庫だった)においてあるから参照されたい。
日常のちょっとしたこと、
何かのキレのある面白いこと。
多分落ちが大事だろうね。
白紙に向かって構想を書こう。
まだプロット形式じゃなくていい。
これも手書き推奨。図っぽくなるからだ。
事件のこと、解決のこと、落ちのこと。
舞台のこと、主人公のこと、他の人物のこと。
何かを丸で囲んだり、下線を引いたり、
矢印や線で繋げるだろう。
そういう不定形でいい。
このブログにも僕のものはいくつか乗せたと思う。
さあ、妄想おしまい。
落ちも決めた?
じゃ書くぜ。
5分なんだからプロットなんていらない。
直接原稿に直接書いていく。
(ないと不安ならプロット書いてもいいけど、
それだけで2枚以上使っちゃうよ?
5枚しか書けないのに!)
5枚は、思ったより短い。
あなたの誇大妄想に比べて、恐ろしく狭い。
あなたは、キレよくコンパクトにまとめるか、
妄想し直して5枚におさまる別の話を考えてもよい。
(一々プロットを書かないのは、
こういう柔軟性をもつためだ!)
さあ書こう。
原稿用紙5枚を広い机に広げよう。
1枚1枚のレイアウトを想像しよう。
この1枚で、どこからどこまで語るかを想像しよう。
400字は、恐ろしく短い。
あらすじを書くんじゃないぜ。
シナリオを書くんだ。
台詞とか、ト書きとか、柱を書くんだ。
400字で出来ることはほんとに短い。
だから慎重に、場面をセレクトする。
場面の一から最後までを書かず、上手く省略する。
ちょっと長いシーンを書いたら、簡単に3枚ぐらい使っちゃうよ。
400字は、たった1分だ。
書いたシーンを朗読してみな。
普通のちゃんと間をとった読み方なら、40秒から80秒の間だろう。
400字は短い。
それが、5枚しかない。
まずあなたは、この車巾感覚を、手で覚えることになる。
さあ、1枚1枚に何を書くかというレイアウトが、
構成である。
おおむね、次のことをするとよいだろう。
1枚目:【オープニング】【事件が起こる】
2枚目:【事件解決に主人公が乗り出すことに】
3枚目:【解決に向かう展開1】
4枚目:【解決に向かう展開2】【クライマックスの予感】
5枚目:【クライマックス】【落ち】
400字にこんだけ詰め込むの?
その通り。
次回は、これを詳しく見ていこう。
2015年07月14日
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