日が傾き始めた4時からはじめて、
朝7時に終わるようなものだ。
(春秋ベースの時間帯で)
徹夜の時を思いだそう。
物語がはじまったときから、
既に日は傾き始めている。
平和な昼は終わり、彷魔が刻がやってきた。
不穏から暗黒へ。
暗黒の夜は、物語の終わる朝まで続く。
つまり、ずっと不幸で危険で謎めいている。
平和で安心出来るのは、最後までない。
しかし暗黒といえども、
7時や9時ぐらいまではまだ楽しい時間帯。
宵も序の口だ。
夜を自覚しながらも、
昼間のように楽しくいられるかも知れない。
9時以降は、じっくりと何かに向き合う時間帯。
何かが深くなってゆく。
夜を自覚する。
12時から2時は、自分だけが楽しいかもだ。
いわゆる深夜ハイの時間帯。
客観的に見れば、どこかがおかしく、ズレている。
3時4時はキツイ時間帯。
思考は鈍く、動きも緩慢になってくる。
既にいなくなった(寝落ち、帰った)やつもいる。
誰もいない。みんないない。
自分(たち)だけが、この苦境を脱出しなければならない。
そして夜明け前がもっとも暗い。
温度も低く、最も静かだ。全ては死んだかも知れない。
一転、朝が来る。
時の声は、昔なら鶏だが今は新聞配達のバイク音か。
(新聞配達も減っているけど)
ともかくも、朝の一撃が来れば、
あとは一気に朝になる。
今までの暗闇が嘘のように晴れていく。
全てが明らかになり、正体がわかり、
何を恐れていたのだろうかと思うほど、
闇がバカらしくなる。
闇は克服した。夜は終わった。
新しい朝が来た、希望の朝が。
いやあこの徹夜の意味はなんだったんだろうね。
ああ、7時だ。寝よう。ぐっすりと。
緊張はすべてほぐれた。
布団に入って眠りに入る少しの間、
この夜を振り返るのである。
暗転。
リアル生活では、地球が勝手に動くので、
何もしなくても朝は来る。
しかし物語では、自力で地球を回さなくてはならない。
(一人でもいいし、協力者を探してもいいし、
工夫したやり方を思いついてもいい。
しかも物語ではそれを邪魔する奴が現れる)
つまり、物語とは、
夕方から夜になってしまった男が、(または女が)
自力で一夜を徹夜し、事態を進め、
自力で朝を迎えるまでを言う。
多くの初心者がやりがちなこと。
自力で地球を回さず、誰かが回してくれるか勝手に朝になる。
夜にならないまま朝になっておしまい。
夕方のまま夜にもならずおしまい。
徹夜になんの意味もなくておしまい。スーパー無駄徹夜。
同じペースで、特に苦労しなくても地球を回せる。邪魔するやつもいない。
ペースが早くてすぐ朝に。
ペースが遅くて夜のままおしまい。
夜とは、不幸、危険、秘密、暴露、歴史がつくられる、など。
朝とは、昼(平和、幸福)になることを確信、真新しいこと、希望、など。
自分の話のどこが、徹夜
何時ぐらい に当たるかを書いてみよう。
プロットや脚本原稿の横に書いてみるだけでいい。
何時台が多いのか?
何時台が足りないのか?
もし朝まで徹夜したことがないのなら、
一人で徹夜してみよ。
みんなで、仕事で、遊びで徹夜をしてみよ。
人間の懐の深さは、これまでしてきた徹夜の回数に比例する。
という名言をいま思いついた。根拠はない。
王族が一度してみたいことの中に「徹夜」と言うのはなんの話だっけ。
つまり、徹夜は最も人間的な行為だ。
もしかしたらこれまでのことは、
夜行性動物だったときの名残かも知れない。
ついでに、物語とはその時からある、
「人生の一単位」であり、
だからこそその型が理解しやすいのかもしれない。
2015年07月17日
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