例えば男女のラブストーリーで。
二人の間には、
好きだと意識するフェーズ、
キスをしたり告白をするフェーズ、
セックスをするまでのフェーズ、
ラブラブのフェーズ、
不満が出てくるフェーズ、
二人の間に浮気など別の要素が出るフェーズ、
妊娠や結婚などの決定的決断のフェーズ、
などがあるだろう。
省略もあるだろうし、これにないものを加えてもよい。
今どのフェーズなのかによって、
二人の意識や焦点、今一番何を気にしているかは、
全く別物になってしまうはずだ。
意識するときは胸の膨らみが気になるだろうし、
告白のときはそんなの気にしてられないし、
セックスを意識したら気になってしょうがないだろう。
倦怠期フェーズなら、もうどうでもいいものの象徴だろう。
大きな文脈によって、
人の意識は変わる。
登場人物も、観客もだ。
今一番何を気にするべきかが、大きく変わるのだ。
フェーズとフェーズを繋ぐのは、
勿論ターニングポイントだろう。
たった一言からワンシーンのエピソードやシークエンスまで、
さまざまなターニングポイントで、
フェーズは次のものへと移行する。
殺人事件でもそうだろう。
謎の事件の手がかりを追うフェーズ、
手がかりが次々に繋がっていくフェーズ、
真犯人が特定されるフェーズ、
真犯人が逃げないようにチェイスするフェーズ、
などがあるだろう。
(あまり詳しくないので適当に書いてます)
それぞれのフェーズは、全く別の物語のようだ。
しかしそれは、ひとつの事件が辿る自然なフェーズだからこそ、
それらは繋がった一連として認識されるのだ。
逆に言えば、分かりにくい話は、今何フェーズか分かりにくくなるもののことだ。
これらは、あなたの物語でも同じだ。
あなたの話は、何フェーズに分かれた話なのだろう。
数が多ければ目まぐるしい展開だろうし、
少なければゆっくりした展開だろう。
フェーズを増やしたり減らしたりしてもいい。
今どんなフェーズにいて、
次のフェーズはこうなる予定で、
全体としてはこういうフェーズに分かれている、
そういう把握が、
今のフェーズを面白おかしく書くことに役立つだろう。
とにかく今は脱出のフェーズなのだ、と思えば、
余計なギャグや伏線などは書かず、
ハラハラさせる追跡劇や、間一髪になりそうな障害を思いつくことなどに、
自分の意識を集中させられるはずだ。
とかく長編では、今の文脈を見失いやすい。
「今こんなフェーズの中にいる」という自覚をもとう。
その為には、全体のフェーズ構成を考えておかねばならないが。
2015年07月30日
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