2015年07月30日

フェーズを意識する

例えば男女のラブストーリーで。


二人の間には、
好きだと意識するフェーズ、
キスをしたり告白をするフェーズ、
セックスをするまでのフェーズ、
ラブラブのフェーズ、
不満が出てくるフェーズ、
二人の間に浮気など別の要素が出るフェーズ、
妊娠や結婚などの決定的決断のフェーズ、
などがあるだろう。
省略もあるだろうし、これにないものを加えてもよい。

今どのフェーズなのかによって、
二人の意識や焦点、今一番何を気にしているかは、
全く別物になってしまうはずだ。

意識するときは胸の膨らみが気になるだろうし、
告白のときはそんなの気にしてられないし、
セックスを意識したら気になってしょうがないだろう。
倦怠期フェーズなら、もうどうでもいいものの象徴だろう。


大きな文脈によって、
人の意識は変わる。
登場人物も、観客もだ。
今一番何を気にするべきかが、大きく変わるのだ。
フェーズとフェーズを繋ぐのは、
勿論ターニングポイントだろう。
たった一言からワンシーンのエピソードやシークエンスまで、
さまざまなターニングポイントで、
フェーズは次のものへと移行する。

殺人事件でもそうだろう。
謎の事件の手がかりを追うフェーズ、
手がかりが次々に繋がっていくフェーズ、
真犯人が特定されるフェーズ、
真犯人が逃げないようにチェイスするフェーズ、
などがあるだろう。
(あまり詳しくないので適当に書いてます)

それぞれのフェーズは、全く別の物語のようだ。
しかしそれは、ひとつの事件が辿る自然なフェーズだからこそ、
それらは繋がった一連として認識されるのだ。

逆に言えば、分かりにくい話は、今何フェーズか分かりにくくなるもののことだ。


これらは、あなたの物語でも同じだ。

あなたの話は、何フェーズに分かれた話なのだろう。
数が多ければ目まぐるしい展開だろうし、
少なければゆっくりした展開だろう。
フェーズを増やしたり減らしたりしてもいい。

今どんなフェーズにいて、
次のフェーズはこうなる予定で、
全体としてはこういうフェーズに分かれている、
そういう把握が、
今のフェーズを面白おかしく書くことに役立つだろう。

とにかく今は脱出のフェーズなのだ、と思えば、
余計なギャグや伏線などは書かず、
ハラハラさせる追跡劇や、間一髪になりそうな障害を思いつくことなどに、
自分の意識を集中させられるはずだ。

とかく長編では、今の文脈を見失いやすい。
「今こんなフェーズの中にいる」という自覚をもとう。
その為には、全体のフェーズ構成を考えておかねばならないが。
posted by おおおかとしひこ at 01:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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