よくある話だ。
何故、考え直したり、手を入れていくうちに、
新鮮さが失われるのか。
あなたのビビッドな気持ちや、
会話やシチュエーションの新鮮味がどんどん失われていくのは、
何故なのだろう。
それはあなたが、
「何も知らない状態で臨む訓練」をしていないからである。
新鮮かどうかは、
はじめての出会いのときに感じる感覚である。
リライトや考え直しは、
既に複数回目だ。
訓練せずに題材に触れてしまうと、
既に知っていることをいじることになる。
だから、最初にあった何かを前提とした何かをつくって、
良くなった気になってしまう。
初めて出会った新鮮さを忘れて、
どんどんダメにしていくのは、これが原因だ。
あなたはその素材に出会ったときの新鮮さを、
いつでも心に浮かび上げられるだろうか。
リライトや編集で複数回触れても、
常に初めて会った新鮮さを思い出しながら、
なおかつリライトの目的を果たせるように出来るだろうか。
これは、プロとしての一種の訓練をしないと出来ない。
意図的に雑談したり、意図的に別の仕事をしたりするのは、
頭を別チャンネルに切り替え、
また戻ってきた時に新鮮でいるための、
ひとつのテクニックだ。
コツは、他人の作った新しいものを見るとき、
ながら見や別のことを考えながら見るのではなく、
意図的にフラットな状態を作り出して見ることである。
そのフラットな状態を、いついかなる時も作れるように訓練する。
偏ったり、予断があったり、疲れていたり、
前見た作品の影響を受けていなかったりする、
フラットな状態を作れるように訓練する。
出来るようになったら、
あなたの作品もその状態で見るだけのことだ。
あるいは、二三ヶ月一切見ずに忘れてしまうというテクニックもある。
しかしフラットな状態を作る訓練をしていないと、
また二三ヶ月待たなくてはならない。
常に初見の状態に、自分の無意識を持っていけるか。
そうじゃないと、新鮮さも失うし、
フラットに見れなくなってしまう。
どうしてその素材を鮮烈に新鮮に思えたのか、
その電気が走った瞬間を、
いつでも再現できるようにしておこう。
いつでも初見状態を意図的に作り出す。
それが出来ない奴は、判断力がないことと同じだ。
2015年08月01日
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