最後のひと山の前で、足踏みしてしまうことはよくある。
終わりがもう見えているのに、
どう終わればいいか迷うときがある。
その時、どうすればいいか。
まず、クライマックスのプロットを確認しよう。
こういうことがこういう流れで起こる、と把握する。
大分前に書いたやつだから、
今の状況下ではぬるいかも知れない。
あらためてプロットを練り直してもいい。
次に、ラストシーンを軽く書いてみるのは悪くない。
これをこのままコピペしないこと。
これはあくまでもイメトレに過ぎず、
実際にクライマックスを書き終えたあとに書くラストシーンには、
温度感でまったく敵わない。
ラストシーンをイメージすることで、
終着点が見える。
山登りで言えば、山頂を目視したことになる。
(山頂を制覇することをピークハントって言うんだって。
カッコイイ言葉だねえ)
あとはそこをクリアするだけだ、
と体に勇気と見通しを入れよう。
この時、後ろを振り返るべきか、振り返らないべきかは、
作品によると思う。
風魔のときは、振り返らずまっすぐ進んだ。
(回収し忘れた伏線があったようななかったような)
今回、
てんぐ探偵という長い物語を完結させるにあたり、
少し後ろを振り返ってみた。
沢山の、書いてきたことが麓に小さく見えている。
これをひとつひとつ修正したい気になるが、
それよりもピークにアタックすることが大事なのは、
経験上よく知っている。
忘れてる伏線はないか。
どうしてこの頂を究めようと思ったのか。
この山は遠くから見ていた頃はどう見えていて、
今どう見えているのか。
これを登り終えたあと、何が変化するのか。
今後使うべき伏線は直前で仕込めているか。
空は青いか。
水は飲んだか。
今俺はどこにいて、第一歩はどこに置けばいいか。
主人公のストーリーライン。
全ての人物のストーリーライン。
今、それぞれが抱えていること。最初からの各人物の思い。
それが歴史に残るわけではない。
あとでリライトすることもある。
現実の山登りと違うのは、そのピークハントはリライト出来ることだ。
ここで振り返って今までの勢いを確認したら、
もう振り返る場所はない。
そう思って、大きく振り返ろう。
自分の偉業をほめよう。
あなた以外の誰も、ここまで書けなかったのだから。
全体の地図を眺めると、
あれだけなかなか進まなかったプロットが、
もうあとわずかしか残っていないことに気づくだろう。
そのことに感傷的になることさえ、
あなたの権利である。
これまでを直してもいいけれど、
今後使う伏線に関係するところだけに限定しておこう。
直前を少し直せばいいだけだと思う。
あなた以外の誰も、この先にはいない。
あなただけが、山頂を見ている。
呼吸を整えれば、あとは何も考えなくていい。
主人公と再び一体化して登るだけだ。
2015年08月06日
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