2015年08月17日

テーマの話、極論

死ぬ前に最後に食べたいご飯はなにか?
という質問がある。

これは自分にとって一番大切なものを残し、
その他全部を捨てる思考法のひとつだ。

ちなみに僕は、もう既にない、十年ぐらい前、
京都駅地下街(アバンティ)にあったうどん屋さんの、
きつねうどんだ。


これを応用してみる。

これからあなたは、何本も何本もお話を書くことだろう。
10本、100本、1000本かも知れない。

さてその作家生活に終わりがやってきた。
神様は慈悲を出して、
死ぬ前に最後にもう一本だけ書くことを許してくれる。
老いて衰えた部分は全盛期に戻してくれて、
それを遺作にしていいよ、
と言われたとしよう。

その時、あなたは、何をテーマに書くだろう?


世の中に最後に言いたいこと、
あなたがいなくなった世の中が、
少しでも良くなってほしいなと、
あなたの生涯を通じてわかった、伝えたいこと。

説教でも忠告でも助言でもいい。
それが偉大なるあなたの最後の、世界への遺言になることだ。


できた?
できたら次へ。





そのテーマを、
あなたは最初に書く長編で書いてみるといい。



どんなものでもいい。
たったひとつ、あなたにしか言えない何かがある。

たいしたオリジナリティなんてなくていい。
相対性理論とか、ジョブスみたいなすごい格言でなくていい。
「みんななかよく」ぐらいの、
平凡でシンプルな、たいしたことじゃないはずだ。

それをテーマに書いてみることだ。


あなたが生涯かけて書けるテーマには限りがある。
それはあなたも僕も有限だからである。

今から学んだ、現在何も知らないことが、
あなたの最後のテーマになるかなあ。
多分、あなたの最後のテーマは、
昔からなんとなく思ってたことの中から出てくるんじゃないかな。

あなたが子供の時に思ったこと、
思春期に思ったこと、
大人になるときに思ったこと、
尊敬する人や師匠の大事にしてる言葉。
そういうものがないまぜになって、
凝縮されたエキスのようなものが、
その中にあるんじゃないかなあ。


多分、人生最後に食べたいものは、
人生最後に書きたいテーマと、
雰囲気において似通っているような気がする。

ちなみに僕は、好きな人と食べたおいしいきつねうどんだ。
やさしくてほっこりして、
つるりと入って、あったかくなって、
おいしいね、とその人と言って、
ほんのりと後味の香りが残る、
そういう感じのものが書きたいなあ。
posted by おおおかとしひこ at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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