「これまでの勢いを、ブレーキを目一杯かけること」が、
ラストには必要だと思う。
フルブレーキングで何が起こるか。
これまで来た勢いが、一気に止まる。
シートベルトなんて安全装置はないから、
勢いで前のめりになるだろう。
そんな感じだ。
そのフルブレーキングで飛び出た勢いこそが、
「これまで紡いで来た、物語の勢い」だ。
ひとつのストーリーラインだけでなく、
サブプロットなど複数のラインの決着もつくだろう。
全てのことが、一気に終わるのが理想だ。
物事の解決とは、いわばブレーキで止まった車である。
止まったら、もうこれ以上走り続ける必要はない。
永久に停止してよいのである。
走り続けた勢いの記憶だけが残り、
あとは風化していくのみである。
どういう急ブレーキが理想だろう。
ゆっくりのスピードから入るのは、ショボすぎる。
勢いはあるだけあるべきだ。
フルスロットルでクライマックスを駆け抜けるから意味がある。
そしてその終端速度への最後の加速は、
第二ターニングポイントであることは論を待たない。
また、急ブレーキすることを予測していないブレーキは、
びっくりするだけだ。(どんでん返しとはこのことかもだ)
全員が、ブレーキポイントが既に見えていて、
ここでフルブレーキングだ、と身構えていて、
なんならカウントダウン出来るぐらい、
皆がラストを見つめていて、
全員がフルブレーキングを味わうぐらいが、
ベストではないかと思う。
てんぐ探偵のラストは、まさにそのように書けたのではないかなあ、
とちょっと自負している。(もうすぐ発表!)
これまでにフルスロットルで来ていること。
皆がラストを見つめていて、
一気にブレーキを踏み込み、
勢いが一気に消えて、前のめりになり、
あとには勢いの余韻だけが残ること。
そんなラストが理想だと思う。
2015年08月21日
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