2015年09月01日

タナボタ

自分の話がご都合主義かどうかを見極めるには、
タナボタかどうかを確認するとよい。


天は自ら助くるものを助く、
になっていないラッキーは、
全てタナボタだ。

つまり、苦労の末、
あとは運を天に任せるしかない状況下でのラッキー以外、
映画の中でのラッキーは、
全てタナボタであり、ご都合主義である。


あなたは普段不幸で、ラッキーに恵まれていない。
引き寄せの法則の反対だ。
だからラッキーが起こらないか、
タナボタがあるといいな、と思っている。

だからタナボタを書いて満足してしまう。


先日、ラッキースケベというとても下品な言葉があることを知った。
主にラノベ世界などで使われるようだ。
スケベの内容がパンチラなのか、
後腐れのない中出し肉便器なのかは、
よくわからないが、
タナボタ願望を叶えて悦に入った作者と、
そこに自分を投影して満足している読者の、
不健康で不幸な関係を想像して、
なんと下品な言葉なのだろうと身震いした。

閉じられた世界の中での、閉じられた欲望であるのは分かるから、
非難はしない。

だが開かれた世界では、
それは醜く下品な欲望であることは、
分かっておいたほうがよい。

イギリスには仮面舞踏会という伝統がある。
仮面さえつけていれば、
公的な自分ではなく、
自由にセックスを楽しむ一人の獣であり、
正体がそこでばれても、公的な自分とは関係のない世界である、
という文化である。
匿名の2ちゃんみたいなもんだね。
仮面舞踏会の中での醜い欲望は、いくらやっても構わない。
現代のアダルトビデオでもいいさ。

しかし開かれた世界では、
タナボタは、醜い欲望であることを知った方がいい。


タナボタ以外の話の進め方を、
あなたは考えなければいけない。

行動と努力が結果に結びつくことをだ。
無理矢理ではなく自然にだ。

引きこもりはタナボタ以外に人生を進める術を知らないのかよ、
と言われても文句が言えないのなら、
まずは行動して結果を出す経験を沢山積むべきだ。
あなたは成功する必要はない。
成功している人を観察してもよい。
説得力のある、行動からの成功を書ければどちらでも構わない。


リア充は脚本など書かない。
しかし非リア充の脚本家は、
リア充の成功人生を肯定的に書かなければならない。
posted by おおおかとしひこ at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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