普段僕は5分とか短編とか言ってるけど、
じゃあ逆に壮大な話はどう書くの?
文庫7冊分を壮大と言って良ければ、
この規模までなら答えられる。
それは、その尺に相応しいテーマを選ぶことだ。
実際のところ、「てんぐ探偵」は、いまだ道半ばの作品だ。
完全完結したわけではない。
それは物語のテーマ、心の闇が、あまりにも大きなテーマだからだ。
文庫7冊書いて、まだ心の闇の核心には来ていない。
つまり、心の闇というテーマは、
文庫15冊ぐらいのテーマかも知れない。
二時間の長編を書くのなら、二時間で描けるテーマを選ぶことだ。
大長編を書きたいなら、その尺で描ける壮大なテーマを選ぶことだ。
テーマの大きさがスケールの大きさだ。
銀河連邦が出てくるからと言って、大長編になるとは限らない。
たった三人の三角関係でも、大長編漫画になる例はいくらでもある。
たとえば「ガラスの仮面」のテーマはなんだろう。
演じることの本質だろうか。
そんなもん、一生かかるような気がするな。
現に、美内すずえは生涯かけて書かざるを得なくなった。
扱うテーマを大きくすれば、
自ずと作品のスケールは大きくなる。
扱うスペースと、スケールは関係がない。
「○○の本質とは△△である」というタイプのテーマは、
答えを出すまでに長い長い尺がかかる。
関連するサブテーマが多いからだ。
「○○は△△の面もある」タイプなら、もう少し短くてすむだろう。
要は、どこまで深くたどり着きたいのか、によるだろう。
三角関係でも大長編になるのは、
人間の奥深くまで掘るからだと思う。
二時間映画のテーマを並べてみよう。
1クールドラマのテーマを並べてみよう。
長期連載漫画のテーマを並べてみよう。
自分の書きたいテーマが、どのあたりにあるかを見積もれば、
どれぐらいの深さの、どれぐらいのスケールの、
どれぐらいの長さの話になるか検討がつくかもしれない。
風魔13話は、
小次郎の成長に丁度良い尺だった。
だから傑作なのである。
最近のドラマをとんと見てないけど、
1クールに相応しいテーマでやってんのかな。
やってりゃもうちょっと視聴率いいか。
2015年09月07日
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