具体例がないと分かりにくいだろうから、例で。
現在リライト中の「てんぐ探偵」を例にします。
(以下ネタバレ)
二話分を例に、最後の一文(リライト版なので元と違うところあり)
だけ抽出してみた表が以下だ。
なおページ数は、発表時とは別の基準になっている。
数字の比だけ参考で。
第一話「炎の巨人と黒い闇」 全6節、14P
1 「何だ? ……お前、俺が見えているのか?」 2P
2 家の外には、大小の歪んだ顔の「妖怪」たちが、
百鬼夜行の如く闊歩していたからである。 2P
3 こいつらはオレたちの養分を吸い、大きくなり、
宿主を吸い尽くして、「増える」。 2.5P
4 大天狗が試しているのだと、シンイチは思った。 3P
5 あとに残ったのは、真っ白な清めの塩の柱である。2P
6 高畑シンイチは、天狗の面を被ると天狗の力が増幅する、
てんぐ探偵である。 2.5P
第四話「お前は誰か」 全3節、6.5P
1 青嶋は考えるのを止めた。 2.5P
2 その群れの中にいた青嶋だけが、思い当たる節があって足を止めた。1P
3 「名前を、教えて下さい」 3P
節(ブロック)の終わりの一文だけを抜き出すことで、
このようにストーリー全体を俯瞰することが出来る。
また、ページ数比較で、
物事の進展がどの程度か、そのスピードなどを把握することが可能だ。
たとえば、「お前は誰か」でこういうページ配分だったとする。
1: 1P
2: 1P
3: 3P
これだと序盤が急ぎすぎて、何があったか分からないまま話が進行してしまうだろう。
七次受けという状況を味あわないと、
「青嶋は考えるのを止めた」ことに感情移入しきれないだろう。
逆に1が5Pもあるとすると、青嶋の説明が長過ぎて、
いつになったらシンイチでてくるんだよ、ってなってしまうだろう。
また2節が長過ぎれば、青嶋との出会いが遅くなるので、
1節での感情移入の居所がなくなってしまう。
などの感覚的設計に、この図は便利である。
もちろん、各ブロックの劇的文脈(一文で書くあらすじ)
を書いてもいいのだが、
本文の文章を使う所が、リアリティー、実在してる感じを出すのにいい。
進行のペース、ページ数を見て、
進行の度合いを確かめること、
そもそも、この展開でいいのか考えること。
そもそも、ストーリーが進展しているのかチェックすること。
そのような俯瞰的な目線に立つのに、
このシンプルなやり方はオススメだ。
2015年09月10日
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