2015年09月11日

リライトは、313、23でやれ

と、呪文にしてみた。
三幕、一幕、三幕、二幕、三幕という順、
という意味だ。


リライトをするとき、
まずメモを取らずに一気読みすることだ。
一気読みではじめて見える全体像というものがある。

書き手は一気読みすることが滅多にないが、
観客は、たった一度、一気見することしかない。
(気に入ってくれればリピートしてくれる)
第一書いてるときは、何度も意識が中断しているはずで、
一気書きはまずないだろう。
(別のことをやるし、寝るし)

だから、まず一気読みするべしだ。
メモを取ってはいけない。
メモを取ることに意識をとられ、一気読みに集中できない。
なんてひどいんだ、というメモを取りたいし、
直しのアイデアもバンバン湧いてくるが、
我慢して一気読みのスピードを落とさないこと。
この一気読みが正しく出来ないと、
リライトは上手くならないと断言しよう。

何もしない一気読みが終わったら、
腕組みして頭のなかで作品の全体像をリピートしてみる。

あそこはああすべきだ、という欠点の指摘や改善案を思い浮かべる。
まだメモは取らない。頭のなかだ。

そして、良かった所を思い出す。
台詞、場面、展開、テーマ、人物造形などなど。

さあメモを取ろう。
良かった所を箇条書きに。
悪かった所と改善案を箇条書きに。
覚えていることは全て。
頭のなかで一回整理されているため、
重要度の高い順に大抵メモが出てくるのが、
この方法の利点だ。

直しは、頭から直すのではない。
重要な直しからやるのである。

重要な直しをすることで、些細な直しが自動的に直ることは、よくある。

このために逐次メモは禁止なのだ。
逐次は、近視眼になり、大を見失う。


さて、大まかな描像がイメージ出来たら、
直しはどこから?

結論部からやるべし。

原稿を直接見て、ラストシーンがこうであるべきかを、
まずチェックする。
直すべきなら直す。
結論をまず確定させる。
大抵ここだけは直さなくていいことが多い。
あなたの渾身の結論だろうからだ。

勿論、結論を真逆にするべきだとか、
後日談全カットとか、もうひとつ後日談を足すとか、
全然違うラストにしても構わない。
それがより良い話になるならば、
それはそうした方がいい。

「より良い」かどうかの比較対照は、
あなたの頭のなかにある、一気読みの印象だ。
常にこれと比較するために、一気読みはノイズを入れず一気読みするのである。

ラストシーンの次はクライマックスだ。
直すべきを直せ。

三幕に手を入れたら、
解決が固定されたことになる。

従って、そのペアになる一幕を、直す。

恐らくここが最も時間がかかる。

冒頭部が、その結論に向かう冒頭になっているのか。

主人公の内的問題が、そのクライマックスや結論に、対応してるのか。
余計な要素が入ってたりすることは、最もよくある。
最初は使おうと思っていたことを、
最終的に使ってなかったり。
それは結論に対して無駄なら切る。
あるいはその要素が結論に対して必要なら、
より目立たせ、どこで使うかを再計画するべし。

事件のきっかけは、主人公にどのような影響を与えるのか。
リアクションは自然か。行動は何か。
それはリアルか。
一般的なリアルと、その主人公独特のリアルの差を、
自然に納得させられるか。

その結果何が起こるか。
誰が他の重要人物なのか。

そして、第一ターニングポイントは、
センタークエスチョン、すなわち結論とどういう関係になっているか。

恐らくこのあたりに、徹底的に筆を入れ直すことになる。
造形や順番が変わったり、
シーンが増設されたり統合されたりもあるかもだ。
今後使う伏線を一幕で仕込むのか二幕で仕込むのかも、
判断し直す必要があるかもだ。

そして、結論に対しての前提としての一幕に、なっていれば終了だ。


で、その前振りに対しての、三幕になっているか、
もう一度チェックだ。
一幕三幕のペアで直そう。

OKなら、
ようやく二幕だ。
一、三のペアとは違う観点からのリライトが必要である。
問題と解決の流れに対して、
別次元の面白さになればなるほど面白いからだ。
それらが面白い流れになるように、直していく。

一気読みのときのメモを見て、
たるいところや面白いところを再チェック、
一幕からの流れも考えた上で、
起伏やうねりを、より面白くしていく。
怒濤の展開になればOKである。

きちんと書けていれば、三幕に合流するだろう。
あらためて、この三幕で良いかをチェックだ。


313、23。
この順で直す。

終わったら文字を整え、
爆睡し、色々忘れて、また一気読み。
以下、出来たと思うまで繰り返し。


直しの基準は、一気読みが面白く、
狙った感情(感動、号泣、爆笑、感心などなど)に、
最終的に集約するまで。
そしてあなたが、見事な名作だ、と思うまでだ。

佳作である、秀作である、良くできている、普通にいい、
若手の勢いを見せられた、ベテランの渋味を見せられた、
人によっては感動する、人に見せられる出来ではない、
などの自己評価で終了しても、勿論構わない。
posted by おおおかとしひこ at 12:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック