2015年09月20日

モジュール脚本論5: リライト

上手くいかないとき、または全体が出来ていて書き直すとき、
モジュールで考えると楽になることがある。


モジュールに関して、次のことが可能だ。

1. あるモジュールと別のモジュールの順番を入れ換える。
2. あるモジュールを足す。
3. あるモジュールをなくす。(落とす、という)
4. ある話題を追加する。
5. ある話題を全てなくす。
6. ある話題と別の話題を融合して別の話題にする。
7. ある話題を二つ以上の話題に割る。
8. ターニングポイントを、別の話題に接続する。
9. ターニングポイントを、新たに増やした別の話題に接続する。
10. 別のターニングポイントから、今の話題に接続する。
11. 新たな話題を増やし、そのターニングポイントから今の話題に接続する。
12. ターニングポイントをなくす。
13. ターニングポイントを増やす。
14. 直列繋ぎの所を、同時進行する並列繋ぎに変える。
15. 並列繋ぎの所を、一つ一つの話題の直列繋ぎに変える。
16. 未解決の話題を解決させる。
17. 解決済みの話題を、あえて未解決に終わらせる。
17. 解決のタイミングを上げる。または下げる。
18. その話題の出番を上げる。または下げる。
19. 助走部を伸ばす。または縮める。
20. 推進力発生部を伸ばす。または縮める。
21. ターニングポイントを伸ばす。または縮める。
22. 主題を変更する。
23. ある話題とある話題の関連性を変える。


モジュールは、
台詞単位でもいいし、
シーン単位でもいいし、
シークエンス単位でもいいし、
ブロック単位でもいいし、
幕単位でもいい。
同じ階層でのモジュール間で関係を考えるのがやりやすい。
異なる階層間で考えるとややこしくなるだろう。

さて、構成的構造に、これだけのオペレーションがありうるという、
リライト技術について示した例を僕は他に知らない。

抽象的なことよりも、意味合い的なことよりも、
このような物理的選択肢について、
考えてみるのはよいことだ。


これは、僕が文庫七冊ぶんの物語を書き、
そこで四苦八苦した経験から編み出された物理的編集法かも知れない。
ある話題についてのこと単位で、
つぎはぎをやり直す方法論だ。

もしリライトに困った経験があるのなら、
このような物理的手段で、
切り貼りを試してみてはどうだろう。
そこから何かしらの意味的な発見をして、
別の秩序が生まれるかも知れない。
posted by おおおかとしひこ at 22:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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