2015年09月22日

映画と小説と漫画の作劇は異なるか?

ついでにもう一歩踏み込んでみる。

漫画は?


以前にも議論したが、
漫画は、「漫画的現実」という仮想現実の中で行われる話だ。

技術用語でいえば、デフォルメの効いた世界である。

ジョジョのスタンドが実在するとは誰も思っていないが、
ジョジョの中ではそれは現実だ。
SFは、宇宙物理や量子力学を理解すれば、
かなりの現実レベルだが、
文系には漫画的現実でしかないかも知れない。
(僕は逆に歴史物や法曹物のほうが、
ファンタジーに見えたりしている)

小説と映画は、一応、我々の現実世界をどうとらえるか、
という立脚点があるが、
漫画はそんなことより面白さ優先だ。

小説や映画では、「晴れない無念」のドラマのために、
幽霊という物語的小道具(現実には実在しないが、世界の中では実在することを、
自覚している)を使うが、
漫画では、幽霊はいる前提で、
幽霊は何を食べるのかとか、幽霊同士のバトルを描く。
(むしろ何故現実に幽霊がいないのか、と漫画サイドからは思ってしまう)


立脚する「現実観」の違いだ。

なお僕は、ラノベは漫画に分類している。



人は、社会の荒波に揉まれるまでは、
漫画を好むのかも知れない。
現実を知ってからは、
小説や映画を好むのかも知れない。
まあ、好みもあるけど。


少女漫画は、結局漫画的現実のファンタジーだ。
少女漫画原作映画は、
イケメンという幻想がないと、
現実に堕してしまう。
そして僕にはイケメン幻想がちっともないので、
少女漫画原作映画は、ちっとも面白くない。
posted by おおおかとしひこ at 16:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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