2015年10月01日

削ったり増やしたり

そこを増やすことは、
内容を豊かにすることだ。
想像力を刺激し、連想を増やし、含みを持たせる。

そこを削ることは、
スピードを上げることだ。
余計な贅肉を落とし、余談をやめて、
カットすることでむしろ内容を豊かにする。

どっちにするべきか、選択基準は。


カットすることで、余計想像がかきたてられるなら、
カットしたほうがいい。

しょうもない具体を見させられるぐらいなら、
見せないことで想像を膨らませることはアリだ。

パンチラの原則だ。
汚いパンツなら、見えそうで見えない方が優秀である。


一方、そこでの詳細な情報が得られることが、
とても楽しいのなら、増やすべきだ。

その楽しさが寄り道の楽しさなのか、
本道の楽しみ(テーマと直結)かは、
必ずチェックしよう。

全体を縮めなければいけないときは、
寄り道をカットすべきか本道の楽しみからカットすべきかは、
また上の原理に従う。
何を省略するのか、という意義を、毎回明らかにする。

俺は今何をカットして省略したのか、
知った上でカットしなければならない。

(それが分かっていれば、それはカットするべきではなかった、
と戻せる)


追加して増やしたくなる部分は、
大抵脇道の部分である。
本道が弱いという直感的恐れが、
脇道を強化することで誤魔化しているのである。

その心理を、いつも理解することだ。
脇道が足されることで、
本道が良くなるのならプラスに考え、
本道が霞むのならマイナスに考えるべきだ。

聖闘士星矢で、
氷河や紫龍は大変魅力的なキャラだが、
彼らの存在によって主人公の星矢が霞んでいることは否めない。
むしろ、たいして魅力的でない主人公星矢を、
脇道で誤魔化している。
分かってやってるなら、脇道で誤魔化し続けて、
ちょいちょい本道に戻ればいいのだが、
続編的なものではどれも本道が分からなくなっている印象を受ける。
(ちゃんと見てないけど)


あなたの原稿で、
増やして膨らませることは、氷河や紫龍に当たるのか、星矢に当たるのか。
削るべきところは、氷河や紫龍か、星矢の部分か。
そのことによって、主骨格はどう影響を受けるか。

常にそこを考えながら、
増減をコントロールしていこう。


その話にはその話の、最も的確な長さがある。

主骨格がちゃんと面白くて、
脇道も適度に膨らんでいて。

一発書きでそのバランスに至ることは大変難しい。

何度も何度も書き直して、
そのバランスに至ることが殆どだ。


大抵何かを足す。
足して足して足す。
で、贅肉を落としていく。

リライトの後半は、細かなその連続だ。
その時に、星矢を見失わなければ、
野太くて豊かなリライトになるはずだ。
星矢を削って一輝や瞬や黄金を足すのは、
間違ったリライトだ。


自分は一体何を書いているのか?

意外とこれを見失いやすい。
時々ログラインを書いたりしてみよう。
時々テーマを書いてみよう。
それを基準に、星矢を決めればいい。


それを増やすべきか?
それを削るべきか?

増やすのは簡単で、削る方が難しい。

だからどんどん長くなっていく。



(俗には、増やすことが難しく削る方が簡単らしい。
それは他人のものの場合だと考える)

今、てんぐの原稿を、増やしたり削ったりしています。
一般に「磨く」という行為なんだろうけど。
これが時間がかかるのですよ。
posted by おおおかとしひこ at 10:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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