映画を他から分ける最大の特徴はなんだろう、
と良く考えるのだが、
これではないか、というのに至った。
一気見する、最長のものというジャンルが、
映画というジャンルを特別にしているのではないか。
部分が良くできているのだが、全体の構成が下手くそなものと、
全体の構成は良くできているのだが、部分の表現が下手くそなもの。
どちらがましか考えていた。
たとえば、連載漫画は、前者でもばれない。
週刊連載なんてのはその最たるもので、
全体的にぐだったとしても、
パートパートが面白ければ、瞬間最大風速で勝負できる。
それが週刊漫画のいいところだ。
北斗の拳は、週刊連載ならではの傑作で、
ラオウまでは完璧だった。
全体の構成はそのあとグダグダだ。
(それまでも五車星とかの引き延ばしが酷かったけどね)
後者は、短編ならばれない。
どんでん返しや伏線の見事さや、
ループや同時進行などの派手な構成を持ってくれば、
台詞の下手さやディテールが適当でも、
面白く見えるというものだ。
世にも奇妙な物語などは、
ディテールは結構ぬるいところもあるけど、
ストーリー全体が面白かったりする。
では映画はどうだろう?
どちらも欠けてはダメだと思うのだ。
構成が不味かったら、一気見するときにグダる。
ディテールが不味かったら、退屈。
両方を兼ね備えないとダメだと思う。
何故なら、
映画とは、一気見し、しかも長編だからである。
間あいだに一回休みを入れられれば、
構成がグダっても許される。
短編ならディテールのぬるさも、許される。
映画は両方許されない。
何故なら、一気見する長編だからである。
ストーリーというジャンルのなかで、
一気見するものの中で、
最長のジャンルではないだろうか。
(インターミッションが入るのは一気見ではないとしよう)
芝居も同じくかも知れない。
このあたりが、その他と映画を分けるポイントとなるような気がしている。
だから、脚本は特別難しいのかも知れない。
2015年10月13日
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