2015年10月17日

良質の物語、悪質の物語

我々はプロとして、良質な物語を提供し、
悪質な物語を駆逐すべきである。

物語は人の栄養だ。
添加物だらけを摂取した体がダメになるように、
悪質な物語を摂取した頭はダメになると思う。
体が食べ物で出来る。
頭は物語で出来る。

この場合、勉強や知識や判断力などの知性や教養や、
コミュニケーション能力や人格などの性格的なもの、
習慣や習俗や一族的な人格のもの、
以外の何かの頭が、物語で出来上がるのではないか、
と僕は考えている。

粗悪品の物語しか見てないと、
人間が粗悪品になっちゃうと思う。


さて、良質な物語と悪質な物語。


世界の法則の真実を描くのが良質。
適当な嘘を描くのが悪質。

世界を良くするのが良質。
世界を悪くするのが悪質。

賢さが良質。
愚かさが悪質。

よく計画された構造が良質。
行き当たりばったりで着地が見えないのが悪質。

世界の新しい見方を提供するのが良質。
扇情、刺激だけで引き付け、実質何ら生まないのが悪質。

人間を信じられるのが良質。
人間や社会がどうでもよくなるのが悪質。

全ての人が見るべきなのが良質。
誰かに隠したいものは悪質。

神作品は良質。
糞は悪質。

面白く、ためになるのは良質。
面白いがただそれだけなのは悪質。

カタルシスのあるのが良質。
スキャンダラスなだけなのが悪質。

よく考えられたものが良質。
適当すぎるのが悪質。

どんどん面白くなっていくのが良質。
最初しか面白くないのが悪質。

テーマに意味があるのが良質。
テーマがありそうでないのが悪質。

人々の役に立つことを考えるのが良質。
金儲けでいかに掠めとるかを考えるのが悪質。

一生良い記憶に残り、人生の柱になるのが良質。
トラウマになって、混乱の元になるのが悪質。

三人称で客観的なのが良質。
自分しか見えていないメアリースーは悪質。

引き込むのが良質。
押し付けるのは悪質。

誰もがいつの間にか感情移入しているのが良質。
その経験がない人しか共感出来ないのは悪質。

勇気が湧いてくるのが良質。
悪知恵しか湧いて来ないのが悪質。



ほかにも、沢山沢山あるだろう。

あなたは、良質な物語を書いているのか。
悪質な物語を書いているのか。
最終的に良質な物語を書きたいのか。
最終的に悪質な物語を書きたいのか。

自覚的でいよう。
posted by おおおかとしひこ at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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