2015年10月17日

何が書きたいのか?から、発展させて行く

自分が何を書きたいのか?
これは自分が一番よく分からないと思う。

何かモヤモヤするものがあり、
それが書きたいという衝動になっている。

それを言葉にしてみることは、
あなたが最後まで書けるための、最初の準備かも知れない。


抽象的な思いとか、雰囲気などの場合。

それを表す場面に発展させてみよう。
どんな人のどんな場面だろう。

それは変化ベーステンプレのどのあたりの場面だろう。
どういう変化のどういう過程だろうか。
ストーリーに発展させるには、何が足りないかを考えると良い。



人物の場合。

強烈なキャラがいると、話を書きたくなる。
それ一人か?複数か?
一人しかいないなら、
もう一人強烈なキャラを生もう。

二人いれば、どんな話でも書ける。

二人は何をするのか?
争うのか、協力するのか。

事件は何か?彼(ら)はどうやってそこに巻き込まれ、
どうやってそれを解決するのか?

強烈なキャラは、変化するのか?
変化するとしたら、キャラが変わるほどの人生の大事件だ。
それは、どのような物語か?

変化ベースのテンプレで、足りないところを埋めていこう。



テーマの場合。

こういうテーマについて書きたいのだが、
詳細を思いつかない場合。

変化ベースのテンプレの右端を埋めよう。
それは主人公の、どんな変化で意味出来るかを、創作してみよう。

どんな怒濤を経ればそんな変化をするかを、
思いつこう。
事件や解決を考え、具体的な物語に肉付けしていこう。



世界観やディテールなどの、モチーフの場合。

絵やビジュアルから思いつくこともある。
ジャンルから入ることもある。
それ自体は否定しない。
そこからまともなストーリーになりにくいから、僕は積極的に肯定しないだけだ。

ラストはどうなるかを決めよう。
その逆算で最初の状態を決めよう。
落差が大きければ大きいほど面白い。
ループ落ちにせず、思いついたそれが、
二度と戻らない大きな変化をさせよう。


主人公がその大事件にどうやって関わるかを考えよう。
出来ればこの時点でサブキャラも作っておき、
コンフリクト、つまり揉め事を起こすことでストーリーを進展させよう。

大体出来たときに、主人公の内面の変化まで考えるといいかもだ。



大岡式の変化ベースのテンプレは、
とりあえず@が埋まれば次に進んでいい。
別に全部埋らないまま、Aに進んでもいい。
強力なサブキャラが生まれれば、
サブプロットの段階を先にやってもいい。

面白い話がどうやって生まれるか、
それは誰にも分からない。
正しい作り方もない。
お話とは、毎回違うものであり、
パターンを嫌うからである。

分かっていることはたったひとつ。

いっぺんに全部を思いつくか(たまにある)、
部分だけがあって全体を作っていくか、
の二つしかやり方がないことだ。

いっぺんに思いつかないのなら、
こつこつと穴を埋めてみよう。
プロットにしてみたり、
実際の場面を書いてみよう。

全体がびっしり埋まれば書き出せる、という訳でもない。
穴あきの状態で書きはじめて名作を書けるときもある。
他の人が確率が高いやり方だからといって、
あなたの書き方ではハマらないかも知れない。
いつものやり方が必ず成功するとも限らない。
強いて言うなら、その話の、ベストの作り方で作ればいい。


あなたが書きたいことは何か?
お話には、沢山の要素がある。
ひとつを書きたいがために、
あとの全てを書かなければならない。

俳句やツイッターならすぐに書けても、
物語がすぐに書けないのは、多分こうした理由だ。

文字数がそれなりにある話は、
要素が沢山あるから面白い。
あなたは、まだそのひとつを思いついたに過ぎない。
それを育てて、発展させよう。

大岡式変化ベースのテンプレは、その助けになるかも知れない。
シドフィールドの三幕構成理論が、助けてくれるかも知れない。
posted by おおおかとしひこ at 21:20| Comment(2) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ナウシカのようなファンタジー戦記を書きたいのですが
どのような勉強をしたらいいでしょうか。
とりあえず戦記モノ(ガリア戦記とか)や軍事学や外交に関する本を読んだりしているのですが、知っておいたほうがいい知識などがあれば教えてください。

Posted by シャス at 2016年07月05日 22:51
シャス様コメントありがとうございます。

シャスさんがどの程度の知識があり、どの程度の知識が書くものに必要なのか不明なので、曖昧ですが、
「疑問に思うこと全部」です。

たとえば僕なら、
「戦争は何故起こるのか」「戦争はどうやって終わるのか」
の具体的な原理や実例が把握できるまで書かないでしょう。
経済のこと、政治のこと、文化のこと、宗教のこと、
民族文化のこと、組織のこと、兵器のこと、
などが頭の中で動くまで知識を溜め込むと思います。
また、ファンタジーについては、
地理学、生物学、植物学、動物学全般、海洋学、
神話、象徴主義、言語学、衣装、身分と差別、
などなどをよく知らないと、書けないと思います。
ある程度の科学知識や、中性の魔法すなわち初等化学についても必要かも。
まあ、何を書くかにもよります。

あと単純に、剣術の知識もいるかも。
(僕はそのへん得意なので調べないけど)

さて、シャスさんは何故ファンタジー戦記が書きたいのでしょう。
その中心になることから始めればいいと思います。

ナウシカみたいな、といっても色々あって、
王蟲が好きなら昆虫学や生態学をやるべきだし、
メーヴェが好きなら航空力学をやるべきだし。

そもそも宮崎駿が、
第二次大戦の戦記ものと虫好きだったことが、
上手く融合したのがナウシカなので、
ナウシカをかくに当たって宮崎は調べものをしてないでしょうね。(粘菌あたりは調べたっぽい)

にわか知識はばれるので、
得意な知識を生かして、ファンタジー戦記のベースに乗せてはどうでしょうか。
僕なら剣術中心にやるでしょう。

で、基礎知識を一通り叩き込んだら、
戦記ものの名作(中世から近代まで全部)、
ファンタジーものの名作を、
各10本ぐらい見とけばいいのではないでしょうか。
基礎知識がどう創作に反映されているかをつかみやすいかと。

扱いたいことについて、
疑問がひとつもないように調べる(たとえばよくある羽のペンはどうやって使うのか、何の羽か、なん文字ぐらい書いたら換えるのかとか、インクは何か、どこで売ってるのかなどなど)のが、
調べものの基本、と結んでおきます。
Posted by おおおかとしひこ at 2016年07月05日 23:39
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