台詞の話、続き。
ぶっちゃけ、シナリオなんて、
最初は全部台詞、ぐらいでいい。
柱を立てたら(そこがどこかを一言で書いたら)、
あとは台詞の応酬をひたすら書いて話を進める、
ぐらいでいい。
僕は最初はだいたいそうだ。
で、その熱が冷めたあとに、
つまりその会話劇を書き終えてからや、
だいぶあとから、
ト書きを足していくような感じだ。
あるいは、これは台詞でなく絵で見せた方がいいと分かったら、
台詞を削りト書きで表現したり。
ト書きなんてなくても分かるのは、
足さなくていい。
むしろ台詞だけにしておいて、役者に動作を任せる手もある。
つまり、殆どの流れは、台詞の応酬で作るようなものだ。
ここがどこか示して、
その雰囲気をト書きで書いて、
一言目の台詞を書いて…
というテンプレは僕には向かないようだ。
シーンの一言目の台詞をまず書いて話を進めて、
それへのリアクションの台詞を書く前に、
ここがどこかとか、
今いる登場人物は誰かとかをメモすれば、
もう台詞で話を進める感じ。
てんぐ探偵のかなり多くの節が、
地の文からはじめるよりも、
台詞からはじめたほうが書きやすかった。
その後リライト段階で地の文を挿入しているのもあるけど、
台詞からはじめたほうが流れの勢いが良くなったような気がする。
(たとえば九集41話「弟子のひとり立ち」妖怪ほめて育てて
の、演歌歌手の弟子モロ道の話なんかは殆ど台詞はじまりだ。
勢いとキャラのある、名作だ)
話の勢いは、台詞でつくる。
極端に言うとそういうことかもね。
話の進行はト書きより台詞だ。
とにかく台詞だけで埋めろ。
台詞は反射で書くようなものだから、
勢いをト書きで途切れさせないほうがいい。
あとでト書きを書けばいい。
そうすれば、
台詞が怖くなくなるぐらい書けるのではないかな。
勿論、応酬するコツは、
それぞれの思惑や目的や動機が違うことである。
台詞とは、呉越同舟でしか発生しない。
意思統一がされているチームのアイコンタクトや、
長年連れ添った夫婦は台詞を発しない。
だから、
はあ?とか、え?とか、何でそんなこと言うのとか、
神経疑うわとか、そんなつもりなかったとか、
それは違うとか、そうじゃないとか、どういうこと?とか、
気づいてた?とか、そういうことか、とか、
作戦を話すねとか、俺はそうは思わない、とか、
そっちじゃなくてこっち、
とかが、
台詞の応酬のなかに必ずあるはずである。
2015年10月18日
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