その人は、どうしてそれを強く思うのだろう。
どうしてそうなりたいと思うのだろう。
どうしてそうしたいと思うのだろう。
どうしてそこに拘り、そこを譲らないのだろう。
どうして自分の人生と引き換えに、命と引き換えに、
それを選ぶのだろう。
そこを上手く(単なる説明でなく、グッと来るように)書けたら、一人前である。
それはその人の過去の体験から来るものだろうか。
今経験している状況から来るものだろうか。
おそらく、その二重がけである。
過去の思いと現在の状況が、
強い思いをつくり、強い動機をつくり、未来を変えるのではないか。
物凄い当たり前だけど、それをちゃんと書ける人、
つまり皆が感情移入するように書ける人は少ない。
コンプレックスやトラウマが一時期流行ったのは、
過去の強い思いを創作しやすいからだ。
そうじゃない感じをあなたは新しく作り出そう。
「キックアス」「かいじゅうたちのいるところ」の、 その辺りは絶妙だ。
(後者は二幕以降糞につき注意)
強い思いは、話の旨味成分のようなものだ。
噛みしめれば噛みしめるほど旨い。
てんぐ探偵の最終巻あたり、
ドラマ風魔の小次郎の最終巻あたりは、
シンイチや小次郎の強い思いが上手く書けたと思っている。
何故あなたの主人公や脇役は、
そんなにも思いが強いのか。
よくあるのは、最初に強い思いを走らせて、
あとから実はこうだったのだ、と内面を吐露するパターンだ。
「愛と青春の旅立ち」のミッドポイントは、
秀逸な場面がある。
鬼軍曹に対して自分の思いを吐露するシーンだ。
リチャードギアの、一世一代の名芝居だと思う。
ここまで書いて気づいたが、風魔6話の冒頭、
「誰にも知られず働いて…」の名シーンに、構造が似てるね。
さらによくあるパターンは、
過去から続く現在の悲惨な状態を描き、
ある事件をきっかけに、強い思いへと、
内面の思いが成長していくパターンだろう。
オーソドックスなので、どこでも見ることが出来る。
てんぐ探偵では、
心の闇に取り憑かれる過程をわりと丁寧に描いている。
オーソドックスパターンだ。
なぜその人は、そんなにも強い思いを抱き、
そんなにも強い動機があるのか?
それが、ドラマチックだということさ。
2015年10月25日
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