2015年11月06日

ストーリーとは、ロジックである4

ロジックとか、論理的構造とか言われても上手くイメージ出来ない人は、
「なぜ?」「どうして?」に答えられること、
と考えるといいかもだ。


ルパン三世カリオストロの城の例を続ける。

なぜルパンはゴート札を狙うのか?→世界的に最高レベルの贋札というお宝だから
なぜルパンはお宝を狙うの?→ルパンは職業泥棒だから
なぜルパンはクラリスを助けるの?→美人だから、それと、昔命を助けられた一宿一飯の恩がある
なぜルパンはボヤ騒ぎを起こすの?→火事だとカメラを引き連れて、贋札作りを暴くため
そもそもゴート札を狙ってたのでは?→指輪に隠された更なるお宝を狙ったので

などなど。
子供のようになぜ?どうして?と、聞いてみて、
答えてみるといい。
宇宙はどうして生まれたの?ビッグバンの前には何があったの?
人はなぜ生きるの?死んだらどうなるの?などの子供の問いに答えることは不可能だけど、
少なくとも、作品中のすべてのことについて、
あなたはなぜ?に答えられるはずである。

それが矛盾があったり無理があったりするのを、
ロジックが破綻している、という。



論理的構造は、
誰であっても、どんな状況であっても、
人はそうする、という、理由づけである。
泥棒であれば、お宝を狙う。
そういう単純なことだ。
その理屈がシンプルであればあるほど、
感情との揺れが面白くなる。
お宝が大事なのかクラリスが大事なのか、
ルパンが迷うから話は面白いのである。

単純なロジック。
人は死にたくない。

そのロジックを越える瞬間こそ、面白い。
つまり、
他人を助けて自分が犠牲になる、
正義の為に命を賭ける、
友情のために命を危険に晒す、
悪の組織を倒すために命を捧げる、
など、
「命より大事なものが人にはある」と思うとき、
単純なロジックを凌駕する。
理屈で考えれば死にたくない。
しかしそれを感情が凌駕する。
だから人は面白いのである。


ストーリーとは、ロジックである。

矛盾しない一本の線で書かれる、
メインストーリーラインは、
理屈で繋がっている。

そのロジックを主人公が覆すとき、
ドキドキする感情の物語になる。
posted by おおおかとしひこ at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック