三幕構成でよく検索してくる人がいる。
僕は昔は三幕構成をマスターしてから、
面白い話を考えるべきだと思っていたが、
最近はそうでもない。
まず面白い話を書けるようになるべきであって、
三幕構成なんてあとでいい。
ただ、大抵の面白い話はおおむね三幕構成に(無意識に)なっている。
じゃあ、面白い話をまず書くために何がいるの?
という話だよね。
面白い話には、
必ず芯がある。核といってもいい。
それは作者が、これを描くためにこの作品があるのだ、
という強い思いや拘りのようなものだ。
雪だるまの最初の芯のようなものである。
モンスターの怖さや哀しみでもいいし、
正義の味方の登場シーンでもいいし、
恋する瞬間や、
ヘンテコな設定、
オープニングのアイデアかも知れない。
解決の瞬間(カタルシス)がベストだけど、
そこに物凄いアイデアが必要な訳でもないので、
最初の芯は、そこでなくていい。
その芯の周りに、色々なアイデアを絡めていって、
おはなしという雪だるまを大きくしていく。
主人公や周りの人、敵やラブストーリーの相手、
コンフリクトやセンタークエスチョンやテーマなど、
アットランダムに雪だるまを転がしていってよい。
なんとなくおはなしっぽくなってきたな、
と思ったら、
「事件と解決」は何かを書き出してみよう。
僕は、毎度毎度そこから話を作るべきだと思う。
もしまだ雪だるまの中にそれがなかったら、
その世界観に相応しい、
事件と解決のペアを思いついてみよう。
あとで変えることもOKだ。
とにかく。
様々なアットランダムな妄想メモと、
たった一行の「○○という事件を、△△のように解決する」
というものが出来たとき、
面白い話をつくるスタートラインだと考えるといい。
先に三幕構成を考えてもだめだ。
三つを揃えるのは、難しい。
事件と解決の二つを決めるから可能である。
アタマとケツを決めるから、
間を妄想することが可能になる。
いつ終わるか分からない夏休みよりも、
初日と最終日が決まっている夏休みのほうが、
夏休み何する?を決めやすい。
三幕構成だと、4つに割って、といきなりハードルが高い。
それよりも、アタマとケツを決めて、
妄想を泳がせた方が、
面白い話に絶対になる。
色々な妄想雪だるまが膨らんできたら、
大岡式変化ベーステンプレを使うもよし、
大岡式トライアングルメソッドを使うもよし、
三幕構成にはめるもよし。
最初は芯→雪だるま、
次に事件と解決。
この辺が、物語の原初的なスタートじゃないかなあ。
いずれにせよ、
妄想の膨らんだ雪だるまが、
面白くなくちゃダメだがね。
(どうすれば面白い妄想が出来るか?
それが才能だ)
2015年11月10日
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