2015年11月10日

三幕構成は、最初にやることではない

三幕構成でよく検索してくる人がいる。
僕は昔は三幕構成をマスターしてから、
面白い話を考えるべきだと思っていたが、
最近はそうでもない。

まず面白い話を書けるようになるべきであって、
三幕構成なんてあとでいい。
ただ、大抵の面白い話はおおむね三幕構成に(無意識に)なっている。

じゃあ、面白い話をまず書くために何がいるの?
という話だよね。


面白い話には、
必ず芯がある。核といってもいい。

それは作者が、これを描くためにこの作品があるのだ、
という強い思いや拘りのようなものだ。
雪だるまの最初の芯のようなものである。

モンスターの怖さや哀しみでもいいし、
正義の味方の登場シーンでもいいし、
恋する瞬間や、
ヘンテコな設定、
オープニングのアイデアかも知れない。
解決の瞬間(カタルシス)がベストだけど、
そこに物凄いアイデアが必要な訳でもないので、
最初の芯は、そこでなくていい。


その芯の周りに、色々なアイデアを絡めていって、
おはなしという雪だるまを大きくしていく。
主人公や周りの人、敵やラブストーリーの相手、
コンフリクトやセンタークエスチョンやテーマなど、
アットランダムに雪だるまを転がしていってよい。

なんとなくおはなしっぽくなってきたな、
と思ったら、
「事件と解決」は何かを書き出してみよう。
僕は、毎度毎度そこから話を作るべきだと思う。
もしまだ雪だるまの中にそれがなかったら、
その世界観に相応しい、
事件と解決のペアを思いついてみよう。
あとで変えることもOKだ。

とにかく。

様々なアットランダムな妄想メモと、
たった一行の「○○という事件を、△△のように解決する」
というものが出来たとき、
面白い話をつくるスタートラインだと考えるといい。

先に三幕構成を考えてもだめだ。
三つを揃えるのは、難しい。
事件と解決の二つを決めるから可能である。
アタマとケツを決めるから、
間を妄想することが可能になる。

いつ終わるか分からない夏休みよりも、
初日と最終日が決まっている夏休みのほうが、
夏休み何する?を決めやすい。

三幕構成だと、4つに割って、といきなりハードルが高い。
それよりも、アタマとケツを決めて、
妄想を泳がせた方が、
面白い話に絶対になる。

色々な妄想雪だるまが膨らんできたら、
大岡式変化ベーステンプレを使うもよし、
大岡式トライアングルメソッドを使うもよし、
三幕構成にはめるもよし。


最初は芯→雪だるま、
次に事件と解決。

この辺が、物語の原初的なスタートじゃないかなあ。

いずれにせよ、
妄想の膨らんだ雪だるまが、
面白くなくちゃダメだがね。
(どうすれば面白い妄想が出来るか?
それが才能だ)
posted by おおおかとしひこ at 15:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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