2015年11月14日

カット割入門2

前回はテレホンショッキング配置の基本を解説した。

実は、これは最後まで守るべき原則であり、
カット割に関してこれ以上はないのだ。


扱う人数が増える、
人物が板付きじゃなく動く、
カメラが今度は動く、
という複雑なことになったとしても、
原則はひとつ。

話の進行が分かるようにカット割すること
(あえて隠すなら隠すこと)
だ。


アクション映画などで同時進行する複数のシチュエーションなど、
複雑なカット割でも、
原則は全く同じだ。
誰と誰が何のために何をしていて、
何があってどうなったかが、
分かる(隠す)カット割になっていればよいのだ。

その為にどんな手段を使ってもいい。
シングルだろうがマルチだろうが、
空撮だろうがクレーンだろうが、
ハイスピードキャメラやステディキャメラや、
オンボードカメラやワイヤーカムやドローンを使ってもいい。
(先日子供が砂場や公園で何触ってるか分からない、
というカットを撮るために、子供の額にゴムバンドでゴープロつけて撮りました。
面白い手元と目線が撮れました。
あるいは風魔6話、プールのシンクロの下で忍ひが闘う、
というぶっ飛んだ絵は、棒の先につけたCCDで撮りました)


原則はひとつ。
そこで何が起こっているか、一発で分かる、
または隠すことだ。

隠す意図がないのに分からないのは、カット割が下手だ。
分からせたいのに隠す意図に誤解されるのは、カット割が下手だ。
なるほど、今こうなってるのだな、
ということが説明なしに分かることが、上手なカット割だ。
あるいは、視線を誘導してわざと隠すのが上手なカット割だ。


カットを繋げるだけで、
今何が起こっているか分かること。
それがカット割だ。
posted by おおおかとしひこ at 17:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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