2015年12月02日

能面の役割2

能面の役割をしているものは、見つけることが出来る。
「それ自体は変化しない」ものである。


例えばガンダムにおける、
ニュータイプは、この役割を果たしている。
ニュータイプとは何かを解明しきらずに、
物語を終えている。
(Ζ以降でも突っ込んで考えたものがあるかな。
ΖΖまでしか見てないのでその後あったらすいません)
我々は想像を逞しくして、色々考えてしまう。
まあ、投げっぱなしの伏線と、区別がつかないかもだけどね。

エヴァなんて、まだそれで食ってるしなあ。


こんなことを考えていたのは、
別役実「空中ブランコのりのキキ」という童話(小説?)を読んだからだ。
(一時国語の教科書に採用されたので、知っている人が多いらしい。
僕は先日はじめて読んだ。全文はネットで検索可能だ)

この話には、能面の役割をするものが沢山出てくる。

空中ブランコのり、サーカス、ピエロ。
シャボン玉。金星サーカス。瓶詰めの青い薬。
白い大きな鳥。

それは何を象徴しているのだろう、
と、これらの意味ありげなものを、
ついつい深く考えてしまうように、
この話は上手に出来ている。

考えてもそこに深い意味はなさそうだ。
深い意味がありそうでついこちらが考えてしまうような、
能面が沢山散りばめられているのである。
だって、それら自体は変化しない触媒なんだもの。


そういえば、漫画「風魔の小次郎」の聖剣戦争編では、
こんな要素が沢山出てくる。
銀色の髪と銀色の瞳。
邪火麗の謎の目。
伊達総司は何故あんなに詳しいのか。
九龍一族、鬼面党、雑賀一族。
恐らく御大は、何も考えず作ったのだろうけどね。
(あるいはあとあとどうにかしようとして、うまくいかなかったか)

連載しながら考える漫画とは違い、
映画脚本は、全ての要素がきちんと整理されている必要がある。
不要なものは除き、必要なものだけが残される。
その中で、能面が意図的においてあると、
実像よりも虚像のほうが大きくなり、
実物よりもよく見えるはずである。

勿論、単なるハッタリだと看破されると、
メッキが剥がれるのだが。

看破されないようにきちんと作るのが、
上級者向けのゆえんだ。
(エヴァの世界樹や天使の名なんて、
すぐにメッキが剥がれたようなものだ)
posted by おおおかとしひこ at 00:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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