2015年12月04日

執筆のスタイル

僕はパソコンを持っていない。
(このブログは、会社のパソコンかスマホで書いている)

え?脚本はどうやって打つの?
会社のパソコンを夜中や土日に使ったり、
漫画喫茶で文字うちすることが多かった。
僕にとって文字うちは全工程の5%に満たないので、
文字うちに数時間から多くて十時間あればよく、
あとは全て手書きでじっくり考える。

で、ようやく文字うちマシンとしてのパソコンを買おうと、
マシンスペックや書き手のオススメを色々と調べているのだが、
皆さん色々なスタイルでやってるなあ、
と思い、自分のスタイルを公開してみます。

以下、個人的考えと習慣の集大成。

フィニッシュ:
ワードから出力されたpdfファイル
(紙焼きもこれで。両面印刷ダブルクリップどめか、片面印刷)

清書:

ワードを使っています。
テキストエディタは、多分もっといいのがあるはず。
でも会社にデフォであるし、映画会社のPも見れるし。
Winです(mac派ですが、macワードが最近まで糞だったので)。
文字うちはデスクトップで。
デカイ画面(一覧しても文字が読める)と、
打ちやすいキーボードがいいですね。

第一稿手書き→清書したら、
紙焼き→手書きで書き込み→修正
のループを、
3〜40回やります。てんぐ探偵では、3〜5回ぐらいでした。

ワードで、まず行数文字数を設定し、
いい感じに行間文字間を設定します。
紙焼きのことを考え、数バージョン作って好きな感じに。
脚本なら40行×20文字(原稿用紙二枚分)。
小説なら40行×32文字(どっかの新人賞フォーマット)。
一文字の級数はデフォの10.5か、印刷したとき読みやすい11です。
用紙はA4横使いの縦書きで。
フォントはMS明朝。
リュウミン派ですが、パソコンを変える時に面倒なのでデフォフォント。


大抵このファイルを使い回しています。
(新作を書くときは、前の最終稿をコピペして使い回し)

あと、稿を改めるたびにファイル名をナンバリングしてます。
(てんぐ探偵第一集005みたいに)
清書→紙焼き→手書きで書き込み
→ファイルコピペ→ナンバリング増やし→文字うち
のループ。
前の紙焼き手書き書き込み済みは、表紙に番号を書き込み、
一応保存しています。てんぐ探偵だと、積んで膝高さぐらい。

一文字も直さなくなったとき、完成。


下書きと推敲:

大学時代から同じブランドのボールペンを使っています。
青の、ペンテルハイブリッド、100円。
油性でも水性でもない中性インクの走りだった記憶。
書き味が好きなのです。
このへんは好みで決めてよいでしょう。
昔はコンビニでも売ってたけど、今はないので、
近所の文房具やさんで3〜5本まとめ買い。
てんぐ探偵一集(文庫本の約半分)書くと、一本なくなります。
仕事の企画やメモもこれで全てやっています。

青を使うのには理由があって、
白紙に青は、なんとなく知性が生まれる気がするのです。
色彩心理学的にね。
あと、黒は確定だけど、青は暫定、という気がするので、
心理的に修正に抵抗がない。
黒だと決定で直す気が起きないので、硬いものになりがち。

あと、配られたコピー資料や、紙焼きはモノクロ印刷だから、
書き込みがしやすいんですね。
まあ、赤でもいいんですが、赤文字で普段書くのも変だし。
ということで、青です。


僕の手書きへの拘りはこれまでも書いています。
概念は頭の中にあるものであり、頭と原稿用紙を直接繋ぐべきであり、
間に「複数候補から選ぶ」「文節を選び直す」などというノイズを入れたくないからです。
思考は内容に全振り。
ケータイオフ、音楽も聞かない。
(ていうか昔から煩くても音が聞こえなくなるタイプ)

ついでに言うと、僕は日本語タイピングは情報処理検定準一級程度に速いのですが、
それよりも手書きのほうが速いことが、実験からわかっています。
なので、頭からの出力に関しては、手書き一択。

ボイスレコーダーは、自分の声が嫌いで苦手意識があります。


紙は、A4のコピー用紙。セブンイレブンで手に入る「いつものコピー紙」。
縦使いでアイデア出し(主に横書き)、横使い縦書きで執筆。
アイデアは片面。執筆は両面。
アイデア、執筆ともに、A4のクリアファイルに無造作に突っ込み、
パラパラと見れるようになっています。
ノートでもいいけど、入れ換えが出来るし。
概ね時系列で並んでいるから、自分の思考過程を振り返り、
妥当かどうかを検討できます。
作業後半はクリアファイルのアイデアが厚さ2センチぐらいになるので、
執筆分と分けます。
アイデアの全てはひとつのクリアファイルに入れるべき。
でもてんぐ探偵は、長い期間なので、複数のファイルがあり、
散逸しそう。

一度第一稿があがり、印刷されると、
一気読みをし、批評をします。
白い別紙にアットランダムに書く。
それで改稿方針を立て、一から書き込みまくり。
最後まで行ったらまた一気読み、書き込み直し。
などを何回かやって、文字うちに戻る。

手書きのいいところは、
いかようにでも書けることです。
何かと何かを線で結んだり、丸をつけたり、やっぱやめたり。
最悪紙を足したり貼ったり。
ボールペンなのは、一応消した(ぐちゃぐちゃと線を引く)のも、
復活させられるからです。
消しゴムだと、消した情報は永久に復活出来ない。
捨てたアイデアがあとで良かった、なんてよくあるよね。

我々の思考は、バラバラです。
それを一次元にまとめるのが、執筆です。
バラバラなものはバラバラに書き、
バラバラなものを一次元にまとめ、
またバラバラ書き込んでいく、
ということに、このシステムは特化している、
と言えますね。



場所と時間:

アイデア出しは、紙とペンがあれば、どこでも。
カフェ、会社、家、自由が丘のベンチ。
電車の中はかなりいい場所だよね。ペンを握りながら寝るのはいい。
てんぐ探偵の第一話冒頭は、東銀座駅のホームのベンチで書きました。笑

手書き執筆は、主にカフェです。
スタバかエクセルシオール。
お気に入りの席がいくつかあり、ルーティンになるようにしています。
滞在時間は3〜4時間。
仕事などノルマがあるときは、もう一軒いきます。

家には執筆用の椅子と机があり、
23時以降朝まではそこで。
家帰ると寝ちゃうときは、24時間マックを利用。
フォルクスが昔近くにあったのだが、潰れた。

ここまで手書きで詰めて、あとはパソコンで文字うち、印刷。


執筆スケジュール。

締め切りがないときは、四柱推命(細木数子)のスケジュールに従って、
いい日は書いて、ダメな日は休んだり文字うちします。
12日周期で、○○○×○×○○○×××みたいなリズム。
三日休めるし、三日連続しか働かないしで、
わりと合理的。
月曜から金曜、とか連続5日とか、結構辛いです。
社会人はよくそれで二時間確保するらしいですが。
僕は土日でも×の日は書かないことにしてます。

多分、なんらかのルールを課すと、いいんでしょうね。
締め切りの設定は、とても良いです。
逆算してページ数を割り振れる。
てんぐ探偵はよく締め切りおしてましたが、
予想より遅くなるのは、殆どよくあることです。


アイデアはどこで練るか?

忙しくないときは、銭湯へよく行きます。
隣の駅にもよく歩きます。走るのは苦手。
うちのトイレには本がたくさんおいてあります。10分はいます。
行きつけのカフェは、ファストフードも含め20軒以上。
飯屋でのナプキンライティングメソッドは過去記事にも書いた。

飯は大事です。糖分補給のペースは、執筆のペースメーカー。
焼肉でセロトニンも随時補充。野菜も食えよ!




さて。
ここまで公開したので、今悩んでいる俺にアドバイス下さい。

パソコンを買おうと思っています。
以上の工程の、文字うち特化と印刷用です。
カフェで文字うち作業が出来たい。
ネットはやらない、ワープロ専用機と考えています。

色々と実機をさわりました。

ポメラは最高でしたが、ディスプレイが小さすぎました。
(縦32文字だと相当小さくて、これを3時間見るのはキツイ。
これでデカイ画面があれば買いなのに)

サーフェスプロ4は悪くないけど、
キーボードはブルートゥース対応の別がいいかも。
でもかさばりそう。見かけより重かった。

で、NECラビのハイブリッドゼロが、候補に上がっています。
ワードが問題ないスピードで走るし、
モニタが13.3インチででかくていい。縦32文字余裕。
艶消しモニタも長時間にいい。
そして700グラム代と最高に軽い。
ノートパソコンて、何故かバックスペースや変換キーが小さくて、
文字うちがイライラするのだが、このキーボードはそうじゃなかった。
キーストロークが浅いのが難点。

マックAIRかノートは、1キロ以上あるのがネック。
マックワードはいまいち。コマンド配列違うし。
11インチモニタは縦32文字はややキツイ。我慢が入る。
(あとマックだと、文字うち以外にも色々やりたくなる)


質問は、

ラビゼロ使ってる人、いたらどう思いますか?
5%の作業用に16万はたいて糞と言いたくないのです。
他によさげなのありますか?
タブレット+キーボードでもよいです。
予算は6万代、10万代、16万、いくらでも出す、

です。
あと、バイトにやらせる、という選択肢もあるはある。
posted by おおおかとしひこ at 11:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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