2016年01月05日

二幕の構成のコツ

二幕は技巧を要する。その一端をお見せする。


以前に、二幕をつくることを、
建築物や立体テトリスを組みあわせることにたとえた。

僕のオススメの方法は、
白紙を用意し、おもむろに、
「自分の思う二幕の構造」を書き出してゆくことだ。
フォーマットは何でもいい。

そして、それを書き終わったら
(大抵ぐちゃぐちゃで、整理されていない)、
また白紙を用意し、あらためて何も見ずにその構造図を書いて行くことである。

「何も見ずに、白紙に向かって何回か書く」をするだけだ。

これで何が起こるかというと、
要素の整理整頓が、勝手に起こるのである。

実際のメモをおみせしよう。
第一回がこれ。
act2_ver1.pdf
第二回がこれ。
act2_ver2.pdf

視覚的にも、整理されて、綿密になっていってることがわかる。

僕は、縦軸に時間をとり、
真ん中に主人公のメインプロット、
脇にサブ人物のサブプロットを書いている。
メインプロットの四角でかこんだものが、その「行動」である。
特に太枠は衝撃的事実(どんでん返し)に当てている。

あとは上から下に時間を動かして、
間の行動が自然になるように埋めていく。

大きな目的は一番上に、第一ターニングポイントで示す。
一番下は第二ターニングポイントだ。

大きな行動には小目的を書いておく。
「それが成功するかどうか?」が焦点になるべきだ。
勿論、成功するかどうかハラハラする為には、
感情移入がよりそわなくてはならない。

また、サブプロットのサブ人物についてもこれは同様である。
大きな目的が最初にあり、
それが主人公のプロットとどう関係するか、
それでどちらがどう変化していくかが、
なんとなく分かるように横線で結びつけたりする。(因果関係)

これを綿密に書けば書くほど、
不自然な行動はすぐにばれるし、
それぞれの登場人物の中で矛盾が発生していないか、
ただのお人形になっていないか(その人の本心で動いているか)どうかを、
チェックすることが出来る。

チェックするのは、書きながらだ。
書きながら、
「これは無理がある、何かが必要だ」と判断したり、
「こうすれば自然になる」と変更しながら書くようになる。
つまり、その表を、疑問なく完成させたときが、
大きな構造が不動の完成を見た時である。



僕は、書く前にはここまで詰めず、
書きながらより詳細を詰めて行くことが多い。
二幕は一気に書けるものではないから、
全体像を一気に書けないレベルで、綿密につくるのである。

大体、穴がある。どこかが不自然になる。
それを自然になるまで詰めて行く。
情報を与える順番や、行動の順番を入れ替えることもある。

大体、隙間がある。どこかが退屈になる。
それを、感情移入や危機で詰めて行く。
お話の起伏を計算していく。


立体テトリスというか、紐を組み合わせるというか、
そんな感覚だ。
posted by おおおかとしひこ at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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