2016年01月10日

ミッドポイントは、ビッグイベントありなしで考えよ

ミッドポイントは謎の存在だ。

三幕構成理論の元祖のシドフィールドでも、
あったりなかったりする、という曖昧な定義をしていた。
「前半と後半に二分割するもの」というよくわからない定義だし。

ブレイクシュナイダーは、
「かりそめの勝利または敗北」という斬新な見方を提供してくれたので、
僕はとりあえずこれを目安に考えている。


ミッドポイントは、ひとつの大きなターニングポイントで、
作品の真ん中あたり
(実際には後半がまくので、全体尺の真ん中よりはややあとに来る)
にあるものを言う。

3分や5分や10分に一回は、ターニングポイントがあるから、
真ん中あたりのどれかのターニングポイントは、
ミッドポイントに相当するかも知れない。
第一ターニングポイント、第二ターニングポイントほど、
明確に意識されて置かれないので、
存在のあやふやなものである。


僕のミッドポイントに関する考え方はこうだ。
ミッドポイントには二種類ある。
ビッグイベントを組むか、組まないかだ。

「ミッションインポッシッブル4:ゴーストプロトコル」
ではドバイタワーを素手で昇る最高のアクションシーンがある。
(その結果、データは結局奪われる。ここがミッドポイント)
「天空の城ラピュタ」では、
巨大ロボットが暴れる大アクションがある。
(その結果、シータを救出。ここがミッドポイント)
宮崎駿はミッドポイントに大アクションを持ってくるのが好きで、
「ルパン三世カリオストロの城」でも、銭型と塔のヘリを奪い、
屋根の上でルパンが銃に倒れるのがミッドポイントだ。


これらはビッグイベントを組んだ例だ。
その結果がターニングポイントとなり、
その後の話が焦点を変え、進んでいく。
ミッドポイントは真ん中のビッグイベントのケツの、
ターニングポイントということになる。

これはとても分かりやすく、設計がしやすい。
もっとも、大アクションにする必要はなく、
緊張感の高い何かおおごとであればいいと思う。
(今書いている話では、逆行催眠をかけると心が壊れるかも知れない、
と前振っておいて、その危険を承知で逆行催眠をかけ、
出てきた情報が今後を左右する重要情報になる、というブロックがある。
大アクションではないが、緊張感はマックスだ)

勿論、ミッドポイントで決着はついてはいけない。
そこでおしまいになっちゃうからね。
ミッドポイントの結果を受けて、
二幕全体が全く違ったフェイズになる、
という意味で、
前半と後半を二分割する、というシドフィールドの予言も理解できる。

分かりやすいのはMi:4で、「真の敵が姿を現す」というのがその直後にある。
ブレイクシュナイダーのいう、「迫り来る悪いやつら」だ。
二幕前半戦は、「データを追う」が大きな焦点だったものが、
後半戦は「その男を追う」が大きな焦点になる。
そのきっかけのターニングポイントが、ミッドポイントだということである。


もしミッドポイントが何か分からず不安ならば、
真ん中あたりにビッグイベントを持ってこよう。
マックスビッグイベントは、クライマックスに取っておくとして、
それまでに一番デカイ(緊張感のある)ビッグイベントだ。
(つまり二番目にデカイイベントだ。
Mi:4は、ミッドポイントの方がクライマックスより面白くなってしまっている、
ややミスった映画である)
危険が伴い、成功率も予測不能だが、
やらなければならず、成功すれば事態が進む、
ビッグイベントをだ。

その結果、
これから30分かけて追いかけるべき焦点が見えてくれば、
それがミッドポイントになるだろう。



ビッグイベントがない、普通のターニングポイントも存在する。
何かの結果、焦点が変わるものだ。
これも、前半戦の大きな焦点を、後半戦の大きな焦点に変更すれば、
ミッドポイントとして機能することになる。

今ぱっと例が出ないが、一見地味なポイントだが、
俯瞰して見ればたしかに真ん中あたりだな、
というものだ。

シドフィールドは「チャイナタウン」のミッドポイントを、
眼鏡のイニシャルがわかるシーン、としている。
犯人の目星がついた重要シーンだが、
わりと地味な、ビッグイベントでも何でもないシーンだった。


ブレイクシュナイダーが「迫り来る悪いやつら」で指摘しているように、
ミッドポイントのあとは、悪いやつらとの対決に、
焦点が移ることが多い。

謎だった現象を追いかけるのが前半戦、
ミッドポイントでピークを終えて一段落、
真の敵との対決が後半戦、
という構成がとても多い、ということだろう。
とくにハリウッドは、敵をきちんと作り、
そのコンフリクトを最も大きな焦点にするわけだから、
当然と言えば当然だね。
(最初から真の敵がいて、そのコンフリクトを描く場合では、
ミッドポイントはかりそめの敗北になりやすいだろう。
ここから奇跡の大逆転、という文脈が二幕後半戦になる)


ミッドポイントは、意識してもしなくてもいい。
ただ、ビッグイベントありだとやりやすい。
ビッグイベントなしだと、多分自分で意識できず、
二幕全体を書き終えたときに、あそこがミッドポイントだったか、
と自覚することになるだろう。

ミッドポイントが分かれば、リライトのときに整えることが可能になる。
二幕全体の約半分になるように、尺調整をすれば、
気持ちのいいリズムになると思う。


ミッドポイントで、前半戦と後半戦の焦点が変わる。

元々のセンタークエスチョンは何だった?
第一ターニングポイント以降、
二幕前半戦の大きな焦点は何だった?
ミッドポイント以後の大きな焦点は何に変わった?
そしてそれは第二ターニングポイントで何になる?
それで、センタークエスチョンは何?
この全てに答えられて、
かつ全体がそうなっていれば、
ミッドポイントが機能している、と言えるだろうね。
posted by おおおかとしひこ at 13:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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