リライト論。
梗概を書く方法については以前議論した。
今回のやり方はあんまり聞いたことないので、
僕独自かもしれない。似たようなことはみんなやってるだろうが。
各ブロックにサブタイをつけて、
その尺を横に書いて、一覧表をつくるとよい。
今書いている小説は、
小説とは言え基本は脚本論に立脚している。
「てんぐ探偵」のフォーマットで文字うちしているが、
そもそもこれは幻冬舎の文庫フォーマットだったりする。
そのページ数を並べていったら、偶然、
脚本の分数に近い数字になったので、
参考までに今回のものを見せてみよう。
数字はそのページ数、---は中ブロックの切れ目。
第一章 千恵と司郎 31
1 引っ越しの日 6.5
2 異変 6
3 デジャヴ 2
---
4 三日先の記憶 5
5 預言者 4.5
6 歳時記 2
---
7 雨と晴れの日 2
8 踊り場の月 3
第二章 千恵と弓美 35
1 マーブルは決まっているか 3.5
2 千年咲く花 4
3 未来に何が起こったか? 5
4 未来通信 2.5
---
5 劇団の事情 3
6 エチュード 7.5
7 巻き戻す時間 2.5
---
8 逆行催眠 3
9 モルダウの川の流れ 3.5
第三章 千恵と北村 28
1 黒い服の男 4
2 交換条件 6.5
---
3 タワーの夜 7.5
4 約束の地 4
---
5 崖 4
6 月の砂漠を 1.5
第四章 千恵 6
第五章 司郎 8 (四章と合わせて14)
1 真夜中の病院 2
2 カエル 4
3 その意味 2
第一章、第二章、第三章、第四章+第五章が、
それぞれ、
一幕、二幕前半、後半、三幕に、
ほぼ対応している。
三幕だけちょっと短いかな。
脚本のテンポが身についているせいか、
無意識に理想的な尺に合うのは、流石と言うべきか。
で、本題。
的確にサブタイがつけられている時に限るが、
この表を見ていると、
書いた人間ならば、
全体の流れが頭の中に浮かび上がる。
で、何度も何度も、
その流れを頭の中に通すといい。
これ以上細かい書き込みをしてはいけない。
「頭の中に」、話の流れを俯瞰出来るようにするためだ。
メインプロットの構成や起伏だけでなく、
サブプロットの始まりや展開や終結などもチェックしたい。
それが全体のどの辺にいるのか、
まるでこの表を骨格だとすれば、
内蔵の位置を把握するように、把握するのである。
僕は三日間これを眺めながら、
あの流れはこうしたほうが良いのではないか、
あのブロックはもう少し短くて/長くていいのではないか、
あれとこれを逆にするべきか、
などについて、
ひたすら頭の中で想像を膨らませている。
それは、別紙にメモを取る。
あくまでこの表は、
頭の中で想像を俯瞰するための白地図のようなものだ。
で、試したメモに従って全体を俯瞰し直して、
その直しは的確かどうかを、
全体の流れ(最早頭の中にある)から、
判断するのである。
この方法は、
よほどちゃんと書けてたときの、微調整段階かも知れない。
(今回のケースは、前にも書いたが、
数年前に書いた小説を、前原稿は一切見ずに、
白紙に一から書いたものだ。だから、ある程度話は完成してはいる)
だけど、荒い完成度ならば荒い完成度なりに、
ここ削るとか、あれを足すとか、
俯瞰しやすいかも知れない。
活用されたい。
2016年01月19日
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