今日のコメント返しに関連して。
色んな人を敵に回しそうだけど、
正直に書いてみる。
二次創作のやり方では、一次創作をすることは出来ない。
原理が違うからである。
キャラと設定が決まっている中で、
彼らのイチャコラ(喧嘩からの仲直りなどの変化球や、
あの時どう考えていたかという想像も含む)を、
創作するのが二次創作、
だとしよう。
だから、頭の中で、
既にある(大好きな)設定やキャラを、
どういうところに放り込もうか、
というのが主な創作となる。
あるいは、○○は△△について、
何をどう思っていたか、などである。
その作者の動機は、
××な○○が見たい、というものだ。
これは静止画的な場面であり、
点であり線ではない。
線とは点ではなく、変化することである。
お話の始まる前と終わったあとで、
何かが決定的に変わったことである。
二次創作は、定義上変化してはいけない。
キャラや設定を変更せずに、
アナザー場面を妄想することが、
二次創作だからだ。
従って、二次創作では、変化が描けないのである。
既にある設定やキャラの性格などから、
物語(のようなもの)を想像することはとても楽しい。
だから僕は二次創作を否定しない。
だが、オリジナル、一次創作をする人には、
二次創作を全否定せよ、と警告をする。
物語とは、変化だ。
始まる前と終わったあとで、
設定もキャラも、変わってしまうことを物語という。
その変化こそが、物語の意味である。
自分の性格を治す話があったとすると、
その欠点の逆こそが、素晴らしいものなのだ、
という意味が、その物語にあるのである。
性格や設定からは、物語は生まれない。
性格や設定が、変化してしまうのが物語であり、
その最初と最後の間の、二時間かけて変化する、
その二時間分が物語だからである。
性格や設定は、点でしかない。
線を作る(必然性、危機、論理関係、動機、行動、
状況や意味や人間関係の変化)のが、
物語を書くということだ。
数学的に言えば、線は点の無限倍だ。
つくる量が全然違うのだよ。
勿論、性格や設定から物語を作れない訳ではない。
ただ、その何倍もの分量も、作ってからだけどね。
二次創作は、点からはじまって、元の点に戻ってこなければならない。
何故ならキャラや設定が変わってしまい、
それは原作の逸脱だからだ。
点と線にたとえるなら、
二次創作とは、点からはじまって点に戻る、円環なのだ。
円環だから、変化しなくてよく、
ということは最初の点の情報からだけで、作れるのである。
僕は、二次創作は女のほうが得意だと思っている。
女のほうが、円環を好む、
つまり、日常を好み、
日常から逸脱する旅を好み、
家が一番と確認したい生き物だからだ。
男はあまり円環に興味がない。(比較的)
火星に行って帰れないミッションを選ぶのは、
やはり男のサガというものだ。
さて、二次創作は男だろうが女だろうが関係ない。
キャラや設定を利用し、
円環を作ればよいのだ。
元々二次創作が、
ヤオイ(山なし、落ちなし、意味なし)と呼ばれていたことを理解すれば分かる。
山、落ち、意味とは、変化するものにあることである。
二次創作のやり方では、
変化する前提のもの、
変化している最中のもの、
変化を拒否しながら変化へ向かうこと、
変化を受け入れ生まれ変わること、
永遠に変化するほどの人生観の変化、
などは作れない。
オリジナルを作る者は、
二次創作の考え方を捨てなさい。
まずキャラや設定を作るのをやめなさい。
二次創作の経験から、
最初にキャラや設定があって、
それをいじるのが創作だ、という勘違いを捨てなさい。
キャラや設定は、ストーリーに対しての後付けで作る、
という方法論を学びなさい。
どういうことかというと、
陥った面白げなシチュエーションと、
その脱出方法を、最初に作ることを考えなさい。
キャラや設定は、その大きな構造を、
最も落差があって面白くできるように、
捏造してゆきなさい。
ドラマ風魔は二次創作ではない。
小次郎は、原作にない永遠の変化をした。
姫子も蘭子も、恐らく竜魔も。ついでに壬生も。
この辺が、二次創作ではない。
あとは二次創作の範囲かも。
(陽炎、武蔵は微妙なところだね)
勿論、聖剣編に接続できるように変化させたのであるけどね。
キャラや設定を利用したって?
利用してるふりをしただけだよ。
変化する線が、原作の設定を壊さないように、
裏から縫い合わせたのだよ。
これはとても手間と才能が必要な難工事だけど、
既に正解(のひとつ)を示されているから、
可能な気がするだけだ。
ドラマ風魔を見ずに、原作風魔から、
二次創作でない変化する線を、
自分で作ってみれば分かるかも知れないね。
建築は、骨を作ってから、ガワを被せる。
設定やキャラは、所詮はガワだ。
そうそう、ちっとも話が面白くなかった、
ペプシ桃太郎という大失敗作は、二次創作の方法論だね。
2016年01月24日
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