リライト論。
一気読みをしよう。
メモを取らず一気読みして、全体の「感じ」をつかもう。
あそこはもっと掘るべき、削るべき、
といったことは、全体の感じからしか、分からない。
そしてさらに大事なこと。
感想書きと分析をしよう。
感想を、直後にメモしておこう。
たとえば、
感動した、とか、ワクワクした、とか、
あの流れやどんでんはよかった、とか、
あそこの感情はいまいち、とか、
あそこはもっと○○だったら、とかだ。
読み終えた直後の興奮は、
読み終えた瞬間しかない。
それを克明に記録しておこう。
のちのち、どんな分析をしても、
そのときの感情はこうであった、
を後から正確に立ち上がらせることは難しいからだ。
ホットな感情を、残しておくこと。
で、風呂に入って一晩寝て、
冷静になるのである。
それは、どういう構造をしていたかとか、
それは、結局どんな意味であったかとか、
構造上問題があったところはどこかとか、
あの動機が弱いとか、
あの伏線が消えてるとか、
あれをするにはどこかで伏線を張るべきだ、とか。
構造上の分析をしはじめる
(構成表を作る前に、頭のなかでやるといい。
頭のなかは、読後感に一番近いからだ)
と、ついつい感情のことを忘れてしまう。
昨日のメモを見て、
その感情を殺さないように、
その感情以上になるように、
分析をして、改稿のイメージをしていくとよいだろう。
我々には、感情と思考がある。
勿論同時に働くのだが、
物語というのは、まず感情を巻き込むものである。
だから我々は夢中になるのである。
さて、その感情が一通り押し流されたあとに、
ようやく、落ち着いて、思考が分析をはじめるのである。
冷静になった、というべきか。
しかしその分析は、既に感情を忘れていることに留意すること。
感情と思考を分離する。メモと一回寝ることで。
感情と思考を融合していく。メモを見ながら。
僕は、リライトのとき、
一気読み→感情的感想をメモ
→風呂入って寝る→思考的分析をメモ
→その二枚(数枚)を見ながら、
全体像の構成表をつくり、
ひたすらどうするべきか、頭のなかで何度もシミュレーションする、
というやり方に、最近落ち着いている。
だから結構時間がかかる。
頭のなかで再構築することと、
実際の原稿の手直しと、
二段階あるからだ。
しかし原稿を見ながらだと近視眼的直しになり、
大きな直しが出来なくなる。
時間がかかるけど、合理的な方法だと思う。
構造的直しさえ終われば、
あとは激情に流されることを楽しめばよい。
2016年01月25日
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