人生楽勝。なんでもうまいこと行ってラッキー。
そんなものを見て何が面白いんだ。
面白いのは、他人が苦しんだり不幸のどん底に落ちたり、
這い上がってはまた失敗したりする様だ。
ベッキーがうまいこと行ってるより、暴かれる方が見たいのだ。
SMAPが笑顔でいるより、解散のピンチとゴタゴタと、
なんだか不穏な感じを見たいのだ。
絶対安全圏からね。
動物園の鑑も同じ。
人は、平和で幸福なんか見たくない。
人は、不幸を見たい。
あなたは、それを創作しなければならない。
つまりは、殆どの間、
主人公は困っていなければならない。
時々安心して油断したとしても、
以前より大きな不幸が来なくてはならない。
主人公の人生は、
冒険に乗り出したからには、
二幕以降三幕の決着まで、
常に逆境なのだ。
常に困って、常にピンチで、常に不安で、常に追われて、
常に頭をひねらせなければならない。
それが、冒険に乗り出した者の代償である。
さて。
こんなことは分かっている筈なのに、
どうしてか、
「自分の書く話だけが、主人公が楽をして成功する」
を書いてしまう。
おかしいよね?
ご都合主義で幸運が訪れ、
何故か助けが入って、
何故かみんなに好かれて、
何故か命の危険に晒されない。
逆。
新しいニュースや展開は不幸しか来ない。
助けは来ず、助けなければならず、足手まといすらいる。
誰にも好かれず、好きな人には嫌われる。愛は証明しなければならない。
命の危機ばかりで、リスクしかない。
(動かないのが一番リスクがないが、動かないとじわじわ死ぬ)
そうするべきなのに、
何故かあなたの書く話だけが、主人公が楽をして成功する。
おかしいよね?
それは、あなたが楽しようとしてるから。
あなたが楽をしてる様は、全然面白くない。
あなたがどぶにはまる方が、面白い。
観客は残酷だ。
ベッキーやSMAPの不幸を、あなたは喜んで見ていただろ?
あなたは、
架空の物語の中で、
ベッキーやSMAPの代わりを作るのである。
楽をして作れる訳がない。
創作が苦しいのは、そういうことだ。
人はどうすれば、
不幸や苦しみや危機や辛いことを乗り越えて、
成功するのか?
その創作にリアリティーを感じて、
人は見に来るのである。
プロジェクトX並の、成功の創作が見たいのである。
あなたが楽をしてご都合で夢想しているところは、
見に来ない。
2016年01月29日
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