2016年02月01日

魅力的な登場人物の作り方2

僕のやり方は、ストーリー本位である。

つまり、どうであるかより、
何をしたかで人物の魅力を描く。


つまり、主人公の魅力をなるべく早く描くなら、
何かをさせる。

「save the catの法則」でも書かれているとおりで、
子猫を助けるようなことをすると、
主人公の好感度が上がる。

別に善人ぶる必要はない。
ヘンテコなことをしてもいいし、
悪いことをしてもいい。

我らが風魔の小次郎は、「蜂を退治する」をしていたね。
それをやるなかで、
「お調子者だけど、腕はたつ」という魅力が既に描かれている。
開始3分以内にである。

なるべく第一印象で、「AなのだがB」という魅力を、
何かをすることで示せると最高だ。

また、一度示して終わりではない。
ちょいちょい更新する。
多面的な魅力を描きつつ、
ストーリーを行動によって進行するためだ。

つまり、主人公は節目節目で、
行動することによって、どんどん魅力がアップしていく。
感情移入と相まって(感情移入は、性格には行われず、
シチュエーションや行動から始まるのであった)、
みんなどんどん主人公が好きになってゆく。


性格は設定ではない。
あなたは、設定資料を作るのが仕事ではない。

魅力的な文脈で、魅力的な行動をすることを描くのが、仕事だ。

そして魅力的な行動とは、
カッコつけた動作のことではなく、
決断や判断のことである。

こういう場面でこの手を打つのか、というものであるべきだ。
しびれる、切ない、哀しい、力強い、
リスクを背負う、ぎりぎりの、考えの深い、嘘をついて、
などなどの決断があるだろう。


性格や人物像は、決して性格設定では決まらない。

男気があったり色気があるという100の性格設定より、
「4人を裏切った」という行動の方が、彼を設定する。
明るいけど闇が時々見え、ファッションセンスがいいという100の性格設定より、
「不倫した上、ラインで言いたい放題」という行動の方が、
彼女を設定する。

どんな発言、ギャップ、ビジュアル、履歴書的設定よりもだ。

行動(決断や判断)がその人を示す。


つまり、性格設定はしなくていい。
行動させればいい。

多分、どんな人物かも、作者は100%知らない。
動機とシチュエーションを与えて、
行動させていくなかで、作っていくものである。

その時に「人間」への理解が浅いと、
ペラッペラになるだけである。


人間の魅力がにじみ出るのは、
行動だ。
無言だとなおいい。
こういう文脈で、こういうことをした人、
という覚え方をされるだろう。
posted by おおおかとしひこ at 01:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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