2016年02月19日

途中で雨が降るシーンの、柱のたて方

細かい技術論。
こういう検索ワードで来た方がいるようで。


まず、映画における雨表記は、
「雨が降るまで撮影せず、みんなで待つ」を意味しない。
「降雨装置(もっとも原始的なものは、水道をホースに繋ぐ)
を使い、雨シーンを作る」を意味する。

従って、物語に雨が必要ならば、
雨を明記するべきである。
スタッフは撮影に入る前に、
作業見積もりをして、スケジュールを組むからだ。

晴れの日に降雨装置を持ってきても嘘臭くなるから、
現場的には、降雨装置を呼ぶ日を、
曇り以上の天気の日にスケジューリングしたい。

ということで、雨を明記するには、
柱に書くのがベストだ。

○学校の正門、途中から雨が降る

などのようにだ。


ところがナイーブな問題があって、
雨が降るのをネタバレしたくない場合もある。

ということで、柱を分ければいい。

○学校の正門

   …(本文)

   雨が降ってくる。

○同、雨の中


のように。
雨前までを普通のシーンとして書き、
雨が降ってきたきっかけで、
次の雨シーンに分けるとよい。

どこからどこまで雨が必要か、
スタッフにも分かりやすいというものだ。


もし段階を分けたければ、

○学校の正門、曇り

○同、雨の中

○同、土砂降り

○同、嵐

○同、晴れて

などのように、天候を分けてシーンを割ればよい。
シーンの終わりに次の天気への変化を一言書いてもいいし、
カットが変わって急に天候が変わっていて、
話が継続していてもよい。

要は、雨がストーリーに対して寄与していれば、
あとはスタッフが考えてくれる。
posted by おおおかとしひこ at 08:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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