という興味深い検索ワードを見つけたので、
書いてみる。
どうすれば悪役を上手く演じられるか?
見ている人の知性や年齢に合わせた、
悪を見せることではないだろうか?
たとえば子供向けの戦隊ものでは、
大声で乱暴そうな、にらむ目が怖い、
漫画チックな悪役がいいだろう。
水戸黄門の悪代官や下手人も、
一発でこいつはワルだ、と見せたほうがいい。
中学生高校生あたりになると、
「偽悪」ということが分かるようになってくる。
中二病とは、子供として見てきた善が嘘っぽいことに気づき、
偽善という言葉を知り、
その先に、悪と善の、
ビジュアルと中身の交換があり得ることを理解する。
あるいはニヒリズムという言葉も分かるだろう。
大人が見るものはもっと悪い。
一見いい人に偽装していたり、
誰にも悪いと思われずに悪を働く。
あるいは、無知や無能ゆえに、
悪に結果的になっていることすらある。
大人は現実で悪を経験していて、
しかも正義が実現しないことも経験しているから、
リアリティーのある悪でないと説得力がないだろう。
政治家が賄賂を受け取るより、
経理が小金をちょろまかしているほうが、
身近な悪になると思う。
結果的に悪いことをするが、
良心より組織の論理が優先していることなんて日常茶飯事だ。
悪いやつほど、悪い顔なんて絶対に見せないものである。
見る人間の悪像を考えること。
これは何も役者だけでなく、
脚本家が考えることでもある。
この話は、どういう悪とどういう善の間の相克なのか。
それを理解すれば、演じるのに間違いはないはずだ。
その悪は憎むべきか。愛するべきか。
ガンダムのシャアは、尊敬すべき、憧れの、悪役だ。
その物語上のたち位置を考えれば自ずと答えは出る。
その上で、
コメディならより戯画的に、
ブラックコメディならより風刺的に、
ファンタジーなら漫画っぽく、
リアリティーならそこら辺にいそうな感じに、
などなど、ジャンルの求める温度感に、
チューニングしていけばよいだろう。
目線?しゃべり方?
そんなものは、沢山あるお芝居や、現実を観察すれば、
真似するだけならすぐ出来るでしょ。
(出来ないなら向いてない)
2016年02月19日
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