2016年02月21日

順番を意識しよう

お話は、一次元だ。
正確にいうと、ことばそのものが、一次元である。

お話とは、何次元か分からない世界を、
一次元の文章で切り取る形式だ。


一次元ということは、
すなわち、順番がある。

言葉で切り取る全てのものには、順番がある。

視線の移動する順番、
思考の順番、
ものごとの手順、
段取り、
気持ちの変化の順番、
大事な順番。

空間的順序、時間的順序に、
従い、逆らいながら、
観客に提示される情報、思考、気持ち、ストーリーは、
順番に示される。

つまりストーリーとは、
全てに順番をつけ、
一からラストまで並べる行為である。

順番に並べられたそれらによって、
その要素単独では意味できない、
その要素に還元できない、
何らかの意味を暗示する行為だ。


それらが上手く並べられていないと、
意味を取りづらくなったり、
詰まらなかったりする。
それは言葉だけでなく、
やり取りだけでなく、
場面ばかりでなく、
設定ばかりでなく、
場面ばかりでなく、
構成ばかりではない。

それらの要素を、
不要なものは落とし、必要なものだけを残し、
あるいは削ることによって存在を感じさせ、
的確な順番に並べられた、一意の解が、
ストーリーという順番のことだ。


ストーリーを書くのが下手な人は、
きっと順番に並べることの重大さを、
あまり分かっていないのかも知れない。

ある程度並べた順番を見て、
次何が来るのか、
予想できなかったり、楽しみに出来ないのは、
ストーリーではない。

ストーリーというのは、
何を選び何を残して、順番をどう並べるか、
という行為のことなのだ。
posted by おおおかとしひこ at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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