お話は、一次元だ。
正確にいうと、ことばそのものが、一次元である。
お話とは、何次元か分からない世界を、
一次元の文章で切り取る形式だ。
一次元ということは、
すなわち、順番がある。
言葉で切り取る全てのものには、順番がある。
視線の移動する順番、
思考の順番、
ものごとの手順、
段取り、
気持ちの変化の順番、
大事な順番。
空間的順序、時間的順序に、
従い、逆らいながら、
観客に提示される情報、思考、気持ち、ストーリーは、
順番に示される。
つまりストーリーとは、
全てに順番をつけ、
一からラストまで並べる行為である。
順番に並べられたそれらによって、
その要素単独では意味できない、
その要素に還元できない、
何らかの意味を暗示する行為だ。
それらが上手く並べられていないと、
意味を取りづらくなったり、
詰まらなかったりする。
それは言葉だけでなく、
やり取りだけでなく、
場面ばかりでなく、
設定ばかりでなく、
場面ばかりでなく、
構成ばかりではない。
それらの要素を、
不要なものは落とし、必要なものだけを残し、
あるいは削ることによって存在を感じさせ、
的確な順番に並べられた、一意の解が、
ストーリーという順番のことだ。
ストーリーを書くのが下手な人は、
きっと順番に並べることの重大さを、
あまり分かっていないのかも知れない。
ある程度並べた順番を見て、
次何が来るのか、
予想できなかったり、楽しみに出来ないのは、
ストーリーではない。
ストーリーというのは、
何を選び何を残して、順番をどう並べるか、
という行為のことなのだ。
2016年02月21日
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