2016年02月22日

場所の名前で何かを示す

日本語の特徴。

たとえば「殿」は、殿に住む偉い人の意味だ。
直接名前を言うのが憚られるぐらい偉いので、
場所で擬人化するのである。


「舞台」が、演劇を意味する。
「ファミコン」が、ゲームを意味する。(うちのオカンとか)
「東宝さん」が、映画会社の偉い人を意味する。
「茅場町」が、国会を示す。

あるいは、業界特有の言葉もある。
石神井は東映スタジオのこと。
東銀座はデジタルエッグのこと。

納品先やお得意さんを、地名で表す業界は多いかも知れない。


で、ここから人の本音。
悪口の隠語に使われることもある。
直接名前を言うとばれるので。
地名でバレるなら、更に隠語が進む。

業界用語なんて、省略か、悪口から発展したのかも知れないね。

(映画業界で有名なセッシュウは、
役者早川雪舟があまりに背が低く、足元が写らないときは、
台の上に乗って背を高く見せていたことから。
高く見せる台を用意することを、
セッシュウとコールするのは、いまだに使われている。
そもそも早川雪舟のいないところでの、悪口だった可能性。
また、早川雪舟がたとえば鎌倉に住んでいたら、
鎌倉と呼ばれたかも知れないね)


隠語や省略語やニックネームなどは、
その世界に住む者の常識だから、
言葉でリアリティーを構築するのにとても便利だ。
それらの研究をすることも、大事な下調べだ。
勿論、表面的なテクニックに堕しないようにね。
posted by おおおかとしひこ at 08:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック