相変わらず、「最後まで書けない」という検索ワードがあとをたたない。
みんなよっぽど苦労してるんだろう。
今日は別の角度から検証してみる。
自分が最後まで出来たことと、
最後まで出来なかったことの、
差はなんだろうか?
僕は、途中で飽きたかどうかの差だと思うのだ。
最後まで出来たことは、
書く以外に何があった?
掃除?洗濯?
引っ越しの準備?
資料作り?
これらは何故出来た?
締め切りがあったからだよね?
(締め切りを設けて何かを書くことは、
強制的に最後まで書く、有効な方法だ)
たとえ途中で飽きてしまう単調な仕事でも、
締め切りさえあれば人はこなすものである。
問題は、締め切りのないやつだ。
たとえば、僕はプラモデルを最後まで完成させたことがあんまりない。
何でだろうと思い出すと、
自分の理想より、現状がいまいちで、
これ以上進めても、カッコイイザクにならねえぞ、
と何となく見えてしまったからではないかと思う。
長編漫画も、結局完結していない。
締め切りのあった手塚賞用は、かけた。
つまり。
締め切りのない自由創作では、
必ずどこかで飽きる。
飽きる、というのは、
最初の素晴らしい思いつきが最後まで持続せず、
別の思いつきを足してしまうことで、
最初の思いつきに飽きたことを、ごまかしてしまうことではないか?
で、その持続も尽きて、次に思いつき、それも尽きて…
という縮小ループが、途中挫折を生むのではないだろうか。
対策はふたつあるように見える。
最初の思いつきを信じて、最後まで粘ること。
もうひとつは、
思いつき続けて最後までたどり着くこと。
長編漫画は後者の方法論で作られていて、
それは殆どの場合失敗する。
(満足に完結した漫画の少ないこと!)
では前者は?
短編ならいける。
構成を整理して、あとは勢いで書く。
一日以内で書く方法については、以前書いた。
つまり、飽きる前に書き終える、
あるいは、飽きても今日中という締め切りを課すことで、
豪腕でねじ伏せて完成させるやり方だ。
僕はてんぐ探偵の殆どの第一稿は、
この方式でやっている。
原稿用紙30枚以内なら、ワンデイでなんとかなることを、
経験的に知っているからである。
(勿論、全作プロットを準備したうえでだが)
さて、本題。
僕は、「飽きることを想定した上で、
何個かのアイデアを事前に盛り込む」
ことを提案してみよう。
自分がどれくらいかで飽きる、と予想するのである。
あるいは、飽きた自分をシミュレートした上で、
次にこれに飛びつけよ、と置き石をしておくのである。
それは、自分をどれだけ知っているかにもよる。
一種の罠にかける方法だからだ。
経験的には、
一幕のアイデア、
二幕のアイデアふたつ、
三幕のアイデア、
計よっつぐらいまでためておけば、
最後まで書ききれるような気がする。
あとは道中で思いつくだろうという読みもしておくけど。
ついでに。
ラストのアイデアが一番執着のある素晴らしい思いつきであると、
最後まで粘りやすい。
どっかで飽きる。
それは書き手だけでなく、
受け手もそうだ。
そのタイミングを見越して、
次の新鮮さを準備しておく用意周到さこそが、
プロの業というものだ。
(言うまでもなく、その境目はターニングポイントになるよね)
2016年02月22日
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