2016年03月03日

最後まで落ちをつけなくていいのなら、何でも出来る

検索ワードで、相変わらずペプシ桃太郎で一日一人は来るようである。

多分桃太郎は、完結することなく、やり逃げると思う。
登場時に我々が期待した結末を、
十分に迎えられずに尻切れトンボに終わるだろう。

これを逆から捉えてみることで、
脚本家、小説家志望が最も陥りがちな、
「完結させられない」問題を議論できる。


キーワードはやり逃げである。

あなたは女か?
だとしたら以下男になって読んでくれたまえ。

男がやり逃げる方法について。

なるべく最初に夢を見せること。
あとあとその約束を守らなくていいので、
何だって約束してしまうことだ。
俺は凄い人とコネがある、
君を世界一幸せにしてみせる、
いつか南の島へ行こう、
などなど、歯が浮くほどでよい。
女は、夢を見ることが好きで、
ドリームのドキドキと恋のドキドキを間違える。
冷静さを奪うこと、撹乱することが、男の目的である。
で、
どうにかして冷静さを奪えたとき、やっちまうのだ。
やっちまえばどうでもいいから、
あとは捨てる。
すなわちやり逃げである。

やり逃げするのが目的なら、
どんな嘘やハッタリも最初にかましてしまう。
メロメロにぽーっとなりさえすれば、やれるからである。

そもそも、男が責任をちゃんと取ろうと思ったら、
おいそれと夢など語れない。
いつか有名になるぜ、なんてことを相手に背負わせられないから、
有名になるまで待ってくれ、と言うものだ。
君を世界一幸せにしてみせる、なんて責任を負えないから、
そんなに簡単には言わない。
その自信と責任を一生負えると思った時しか言わない。
本気であればあるほどだ。

もしあなたが女で、
恋人がなかなか巷の少女漫画のような台詞を吐いてくれないのなら、
彼は本気であなたのことを幸せにしようとしてるがゆえに、
嘘になる恐れのあることを言わないようにしてるかも知れない。
それを責任感という。

逆に言うと、
責任取らなくていいなら、
嘘でもハッタリでも何でも使って、
ドカーンと派手にやっちまえ、
あとは知らん、
というのが、
やり逃げしようとする男の心理なのである。


あなたが、
なにがしかの物語を書きはじめ、
結局完結させられずに悩んでいるのだとしたら、
あなたは、やり逃げするつもりで書いてはいないだろうか?

最初の美味しくて派手な所だけ頂いて、
地味で責任を全うすることから逃げてはいないだろうか?

例えば子犬がカワイイから飼いたいと親にねだって、
成長したらどうでもよくなって散歩も行かないことと、
同じことをしてないか?

物語を完結することは、
相手がババアになっても愛し続けて、添い遂げることである。
毎日毎日、死ぬまでその犬と散歩して生きることである。

素敵なデートとセックスだけしてやり逃げしたり、
子犬のカワイイ時期だけ可愛がることではないのである。

やりちんは最後まで責任を持たないから、
次々に新しい女をみつくろっては、
途中でポイ捨てする。

あなたは、
ひとつの物語が完結してないからといって、
他の話を作りはじめたりする。
それがやりちんと何が違うというのだろう?



ただセックスしてやり逃げるつもりなら、
後々責任取らなくていいから、
何でも嘘をつける。
派手なことをやり、流行りものを取り入れ、
目先だけのパーティタイムを作れる。
それが果たして最後にどう決着するかなんて、
どうでもいい。
その場が楽しいことが全てだ。

だから、あなたの物語は完結しないのだ。



おそらくペプシ桃太郎は、やり逃げる。
前科を指摘しておこう。
ドコモ2.0「そろそろ反撃してもいいですか?」
というシリーズを覚えているだろうか。
やり逃げされた女を一人あげてみた。
(NTT東日本のガッチャマンも、結局やり逃げだったよね?)


やり逃げするつもりなら、そりゃあ何でもやれるさ。

物語を完結させることが特別難しいのではない。

派手で美味しい目先の部分にしか興味がないから、
あなたはやり逃げしか出来ないだけだ。
それはまだ本当の愛を知らない、
責任の取り方を知らない、子供に過ぎないのだ。
posted by おおおかとしひこ at 02:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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