2016年03月06日

二度と同じ展開はない

当たり前だけど、ついつい忘れていること。


自分の中に好きなパターンがあって、
ただそれを味わいたいだけかどうかを、
意識すること。

あなたが気持ちいいかどうかを考えずに、
これを最初から見てきた人が、
一緒に気持ちよくなれるかどうかを考えること。
ストーリーテリングは、だからセックスに似ている。

同じ展開はない。
前提から違う。
だから同じピークも二度とない。
我々の人生と、我々の毎日と、ほんとうは同じだ。

日々詰まらない、同じ毎日を送っていると忘れることだけど。
同じ毎日を送って詰まらないから、
非日常で、同じことが二度とない、
ヒリヒリした物語に憧れるのかも知れない。


これ、どっかで見たなあ、という意識は大事だ。
同じような展開にしない工夫の、原動力になるからだ。

憧れの○○と同じになりたい、
一体化したいというあなたの内なる願望は捨てなさい。
観客は、あなたの今そこにある物語と一体化しようとしているのであって、
あなたの憧れの○○と一体化しようとしているのではない。

あなたが前提を組み、
あなたが展開をさせる。
それは、あなたが全面的に責任を持つ。
参考にしたりパクるのは、その責任の放棄だと肝に命じよう。
80年代はパロディやオマージュが流行ったけど、
今は本当のオリジナルが望まれている時代だと思う。


二度と同じ展開はない。
だから人は、物語に夢中になるのだ。

逆に、「同じ展開になったら」という無意識の願望を救い取るときは、
罠にかけるときである。
posted by おおおかとしひこ at 12:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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