今日面白いリライトを経験したので、
メモしておく。
序盤の感情移入がイマイチだと感じていた。
説明ばかりで話が滑り始めるのが遅く、
主人公の肉声がなかなか聞こえてこなかった。
そこで、その初期設定シーンの一連のなかで、
彼に喋らせることにした。
最初に喋るその場面が、
彼を印象づけるファーストエピソードになるべきで、
しかも彼への感情移入の端緒になるべきだ、と分析したうえで、
そういうエピソードを考えようと、
うんうん唸っていた。
いくつかバリエーションを出してみたものの、
何が決め手になるのかよく分からない。
面白さや強烈さで決めるか、と、
いまいち納得していないとき、ふと閃いた。
「これが落ちに使われる伏線ならば、面白いぞ」と。
「詰まらない4コマ漫画を面白くする方法」である。
落ちは、1コマ目と関係あるものに、するのだった。
落ちが決まっていたので、
逆算で落ちとファーストエピソードを、
関係あるものにすればよいのだと気づいた。
ということで、
序盤では「なんでやねん」に関するオモシロエピソードを書き、
主人公の状況設定と性格設定をしつつ、
彼の肉声で感情移入の端緒にすることにして、
落ちで「なんでやねん」で落とすことにした次第。
出来上がってみればコロンブスの卵みたいなもんである。
最初からそうするのが当然とすら思う。
むしろ何でそうなってなかったのか、分からないぐらいだ。
落ちはふつう、
落ちを書く段階で、
序盤で前ふりしていたものから使えそうなものを探し、
関連づけて落とすものである。
その逆をやったわけだ。
関連づけを逆算して仕込んだ訳である。
普通こういうあとづけの伏線は上手くいかない。
後ろからの要請でしかなく、
前からの要請(自然な展開のなかで次にそれが出てくる)ではないからだ。
下手したらご都合主義になってしまう。
今回は前からの要請のほうが強かった
(主人公の肉声と感情移入が欲しい)ため、
後ろからの要請(落ちに関連した前ふりであること)が相対的に小さく、
うまく伏線となり得た次第だ。
序盤のエピソードを改変しよう。
落ちと関連して落とす為の、前ふりとして。
ただし、後ろからの要請だとしらじらしくなる。
前からの要請、順当な展開という文脈のなかで、
後ろからの要請も同時に満たすものを、思いつけばいい。
2016年03月12日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック