2016年03月18日

テレビがゆっくり倒れようとしている

僕はそもそも4K8K反対論者だし、
「4K録画禁止を民法連要請」というニュースを聞き、
耳を疑った。

テレビが詰まらないからみんな見ない
→スポンサーが集まらない
→テレビ以外の広告に予算を回す
→制作予算がなくなり、益々詰まらなくなる

という負のスパイラルが問題だということを、
本当に分かった上での発言だろうか?


そもそも、なんでHD化したんだっけ?

現場はHDになって、ひとつもいいことがない。

試しに、肌の汚い女優を、Photoshopで修正してみたまえ。
HD、1920x1080の画像を修正せよ。
次に、修正前の両端を落として4:3にし、
720x540に画像圧縮してから、
同じ肌修正をしてみたまえ。これがSDの画質だ。
後者のほうが、圧倒的に楽だろう。

この手間の差が、HD化してから我々が苦労している手間の差である。

ついでに4Kのスペックは、
4096×2160だってさ。
HD4枚分。
更に愚かなことに、60P。
つまり現行の秒間30コマに対して、秒間60コマある。
アホか。
我々は、
SDの、x6x4x2、ざっと48倍の手間をかけて、
汚い肌を修正しなければいけない。

なんのために?


そもそも、我々の労力は、面白いことを作ることに、
注力されるべきである。
そこに全コスト(人件費)をぶちこむべきであり、
48倍の肌修正にコストをぶちこむべきではない。

何故4Kがいるのか?
利権の拡大のためだろうね。

テレビは、ゆっくり倒れようとしている。

現場を切り離した経営陣だけが、
現場を知らないまま、
利権を拡大しようとしている。

手足のない頭でっかちが、
重たい(給料だけはもらっている)頭をもたげて、
ゆっくり倒れようとしている。

おい民法連。
48倍の手間の肌修正を、手を動かしてやってみてから言えや。
そのコストは、面白いことを作ることから、天引きされるんだぜ?

4Kでやれることは、
スポーツ中継と、世界遺産と、笑点と、雛壇バラエティーだ。
つまり、「中継」であり、
「映像をつくりこむ」ではない。

つまりテレビは「制作者」ではなく、「中継者」になろうとしている。


面白いことを作るコストにステータス全ふりの、
ネット素人動画に、
面白さで勝てるわけないよね?
もう個人のほうが、ぼんくら集団より面白いんじゃね?



俺たちは、面白いから見るんだ。
価値があるから見るんだ。
新しい面白さを更新するから見るんだ。
そんな簡単なことが、なんで分からないんだ?

馬鹿なのかテレビは?



追記。
文句を言うだけなら誰でも出来る。
テレビを面白くする改善案。
4K見送り、30億ぐらいかけて30番組をつくる。
SD仕上げでOK。
面白いのを作ったスタッフは、
上がりの10%を報酬として貰う仕組みをつくる。
門戸は一般解放。
面白いのを作ったら、スターになり報われる仕組みをつくれば、
あとは競争がはじまる。
posted by おおおかとしひこ at 12:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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