2016年03月23日

今から何が起こるか聞かされているか

各登場人物について、チェックしよう。
そして、観客についてもである。


今から何が起こるか聞かされていれば、
心の準備や、何かしらの準備をしてくる筈だ。
結婚式への出席なら、おめでとうというとか、ご祝儀とかだ。
そこでサプライズがあると知らなければ、びっくりしたり怒ったりするかも知れないし、
予想のつかない反応や行動に出るかも知れない。

観客が今から何が起こるか聞かされていれば、
起こることを予想してから楽しむだろうし、
知らなければびっくりしたりするだろう。

その組み合わせで4通りあるよね。

登場人物:既知、観客:既知ならば、
それは待ち構えたことの実現である。

登場人物:未知、観客:既知ならば、
劇的アイロニーである。
サプライズの内容を観客は知っていて、
ニヤニヤしながら登場人物のリアクションを楽しむのだ。

登場人物:既知、観客:未知ならば、
してやられた、を楽しむことになる。
イライラさせたり不安にさせなければ、
騙された!やられた!を楽しめる。
ミスリードなどが事前に伏線になるかも知れない。

登場人物:未知、観客:未知なのは、
不安や驚きの共有だ。
ホラーやスリラーの展開が代表的だが、
普通のドラマでもある。
登場人物と一緒にドキドキしながら進めるだろう。



あなたは、この4通りを使い分けているか?
もし使ったことのないパターンがあれば、
それで5分ものを書いてみると練習になるだろう。

他にもその具合をコントロール方法もあって、
「これから台風が来る」ことは既知だが、
「それがどのくらいの被害になるか分からない」と、
部分的に未知にする手段もある。
いわば半々だ。

登場人物の誰かは既知で誰かは未知で、
それをどこまで観客が既知か、
なんて複雑にも組めるよね。


「今日何するかマネージャーから聞かされていないんですけど」
とおどおどしているリアクション芸人と、
「大丈夫大丈夫、その線を越えて走ってよ」
と言うディレクター。
線の先に落とし穴があることは事前に観客には知らされている、
などの組み合わせは、
バラエティーでよく見るよね。

つまりはそういうことだ。

これからあることへの既知と未知を、
コントロールしよう。
それだけで色々な変化球が作り出せるよ。
posted by おおおかとしひこ at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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